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2024年10月9日水曜日

宋詩044 西台にて思う所を哭す

西台哭所思  謝翺

1残年哭知己、白日下荒台。
2涙落呉江水、随潮到海回。
3故衣猶染碧、后土不憐才。
4未老山中客、惟応賦八哀。

 残年(としのせ)知己(とも)(文天祥の死)を()けば、白日(たいよう)()れはてた(西)(だい)のかなたに(しず)む。

(なみだ)呉江(ごこう)(富春江)の(みず)()ち、(しお)(したが)(うみ)(いた)って(めぐ)る。

(かたみ)(ころも)(いま)(みどり)()まっている、后土(ちのかみ)は(文天祥の)(さい)不憐(あわれまな)かったのか。

未老(まだおいていな)山中(さんちゅう)にひそむ(わたし)は、()八哀(はちあい)(詩)を(つく)って(その魂を)なぐさめることにしよう()

2024年10月7日月曜日

宋詩043 茶陵道中

茶陵道中  蕭立之

1山深迷落日、一径窅無涯。
2老屋茅生菌、饑年竹有花。
3西来無道路、南去亦塵沙。
4独立蒼茫外、吾生何処家。

(やま)(ふか)(らく)(じつ)して(まよ)い、一径(こみち)(くら)無涯(はてしな)い。

老屋(あばらや)(やね)(こけ)()え、饑年(きょうさく)(たけ)(はな)()けた。

西(にし)から()たが道路(みち)()く、(みなみ)()くが(やは)塵沙(ちり)だらけ。

(ひと)りで蒼茫(あおあお)した(山野)の(はて)()つ、()が(人)(せい) 何処(どこ)()めばいいのだろう。

2024年10月6日日曜日

宋詩042 人の常徳に之くを送る

送人之常徳  蕭立之

1秋風原頭桐葉飛、幽篁翠冷山鬼啼。
2海図拆補児女衣、軽衫笑指秦人渓。
3秦人得知晋已前、降唐臣宋誰為言。
4忽逢桃花照渓源、請君停篙莫回船。
5編蓬便結渓上宅、採桃為薪食桃実。
6山林黄塵三百尺、不用帰来説消息。

秋風(あきかぜ)のふく原頭(のはら)(きり)()()び、幽篁(たけやぶ)()(つめ)たく(やま)(かみ)()いている。

海図(かいず)(の布)を()いて児女(こどもら)(ころも)(つくろ)い、軽衫(ひとえ)をきたまま(わら)って(君はこれからゆく)(しん)(ひと)のすむ(桃源郷の)(たに)()す。

(しん)(ひと)は(陶淵明の)(しん)より已前(まえ)のことを()ることができ()るだろうが、(ほろ)んだ(とう)や(元の)(しん)となった(そう)のことは(だれ)がかれらの(ため)(はな)すだろう(誰も話すまい)。

()(もも)(はな)(たにがわ)(みなもと)()すところに()ったなら、(どう)(きみ)よ (さお)()めて(ふね)(もど)しては(いけな)い。

(くさ)()んで便(そこ)(たにがわ)(ほとり)(いえ)(つく)り、(もも)()って(たきぎ)()(もも)()()べよ。

6ここの山林(さんりん)黄塵(ちり)三百尺(さんびゃくしゃく)(かえ)って()消息(しょうそく)(かた)るには不用(およばな)いから。

2024年10月5日土曜日

宋詩041 南安軍

南安軍  文天祥

1梅花南北路、風雨湿征衣。
2出嶺同誰出、帰郷如此帰。
3山河千古在、城郭一時非。
4餓死真吾志、夢中行採薇。

(うめ)(はな)ほころぶ南北(なんぼく)のわかれ(みち)風雨(ふうう)征衣(たびごろも)湿(しめ)らせる。

2(大庾)(れい)()えるのに(だれ)(いっしょ)()えようか、(ふるさと)(かえ)るのに()(よう)なさまで(かえ)るとは。

山河(さんが)千古(むかし)から(そのまま)だが、城郭(じょうかく)一時(あっというま)(かわ)ってしまう。

餓死(がし)(まこと)()(こころざし)だが、(囚われの身であるから)(ゆめ)(なか)で(いにしえの伯夷・叔斉のように)(わらび)()りに()こう

2024年10月4日金曜日

宋詩040 野望

野望  翁巻

1一天秋色冷晴湾、無数峰巒遠近間。
2閑上山来看野水、忽於水底見青山。
 

一天(そら)(あき)(けはい) (つめ)たく()んだ(いりえ)無数(むすう)峰巒(みね)遠近間(あちこち)に。

(のんびり)(やま)上来(のぼ)って(たにあい)(ながれ)()れば、()水底(みずぞこ)()青山(せいざん)()える。

2024年10月3日木曜日

宋詩039 苦寒行

苦寒行  劉克荘

1十月边頭風色悪、官軍身上衣裘薄。
2押衣敕使来不来、夜長甲冷睡難著。
3長安城中多熱官、朱門日高未啓関。
4重重幃箔施屏山、中酒不知屏外寒。

十月(じゅうがつ)(へんきょう)風色(かぜ)(きび)しく、官軍(かんぐん)身上(きてい)衣裘(ころも)(うす)い。

押衣(いふく)(係)の(ちょく)使()はもう来不来(きただろ)か、(よる)(なが)(こうら)(つめ)たく(ねむ)りに難著(つきがた)い。

長安(みやこ)城中(まち)には(ぬくぬく)くらす(高)(かん)(おお)く、朱門(おやしき)では()(たか)くなっても(もん)(まだ)(ひらかな)い。

重重(いくえ)もの(カーテン)(すだれ)屏山(びょうぶ)まで(ほどこ)して、中酒(ふつかよい)(びょうぶ)(そと)(さむ)不知(しらな)い。

2024年10月1日火曜日

宋詩038 新年に自ら唱い自ら和す 

新年自唱自和  戴復古

其一

1聖朝開宝暦、淳祐四年春。
2生自前丁亥、今逢両甲辰。
3黄粱一夢覚、青镜二毛新。
4七十八歳叟、乾坤有幾人。

 

(せい)なる(ちょう)(廷)で(新しい)宝暦(こよみ)(ひら)かれ、(じゅん)(ゆう)四年(よねん)(はる)となった。

(まえ)(てい)(がい)より()(うま)れて、(いま) (ふた)つめの(こう)(しん)()う(還暦となった)。

黄粱(こうりょう)(つかのま)(ゆめ)から()め、(っもりな)(かがみ)二毛(ごましおあたま)(あらた)たにうつる。

七十八歳(ななじゅうはちさい)(じじい)は、乾坤(てんか)幾人(いくにん)()るだろう(あまりいまい)


其二

1死灰無復暖、槁木不逢春。
2近日愁多病、今年歳在辰。
3処喧如処寂、求旧不求新。
4笑問長河水、誰為不老人。

 

(つめた)(はい)(ふたた)(あたた)まることは()いし、()れた()(はる)()うこともない()

近日(ちかごろ)多病(たびょう)(うれ)い、今年(ことし)(とし)(たつ)()っていよいよか。

(にぎやか)なところに()ても(さび)しいところに()(よう)で、(きゅう)(友)を(もと)めて(あたら)しい(友人は)不求(もとめな)い。

(わら)いながら()いかけてみる 長河(かわ)(みず)よ、(だれ)不老(ふろう)(ひと)()るかどうか。


其三

1江山一夜雨、花柳九州春。
2過節喜無事、謀懽要及辰。
3年年仍歳歳、故故復新新。
4把酒有余恨、無従見古人。

(かわ)(やま)一夜(いちや)(あめ)(はな)(やなぎ)九州(きゅうしゅう)(はる)

(せつ)(句)を(すご)して無事(ぶじ)(よろこ)び、(よろこ)びを(もと)めて(とき)要及(おくれま)い。

年年(ねんねん)()歳歳(さいさい)故故(ふるき)()新新(あたらしき)に。

(さけ)(杯)を()っても(すこし)(うら)みが(のこ)るのは(もは)古人(いにしえのひと)()うことも()いからだ