2024年7月30日火曜日

宋詩006 魯山の山行

魯山山行  梅堯臣

1適与野情愜、千山高復低。
2好峰随処改、幽径独行迷。
3霜落熊升樹、林空鹿飲渓。
4人家在何許、雲外一声鷄。

(まさ)()(たのしみ)(かな)う、千山(やまやま)(たか)()(ひく)く。

(すばら)しい(みね)随処(ずいしょ)(かたちか)え、(しず)かな(こみち)(ひと)()(まよ)う。

(しも)で(葉は)()ちて(くま)()(のぼ)り、(はやし)(ひとけな)鹿(しか)(たにがわ)()んでいる。

人家(じんか)何許(どこ)()るのだろう、(くも)(むこう)一声(ひとこえ)(にわとり)

2024年7月29日月曜日

宋詩005 寓意

寓意  晏殊

1油壁香車不再逢、峽雲無迹任西東。
2梨花院落溶溶月、柳絮池塘淡淡風。
3幾日寂寥傷酒後、一番蕭瑟禁烟中。
4魚書欲寄何由達、水遠山長処処同。

 

油壁(うるしぬり)香車(くるま)(ふたた)()()、(巫山の)(たに)(くも)(あと)()西(にし)(ひがし)へと(さまよ)う。

(なし)(はな)さく院落(にわ)溶溶(そそ)(つき)(やなぎ)(わた)のとぶ池塘(いけ)淡淡(そよ)(かぜ)

幾日(いくにち)寂寥(さび)しく傷酒(わるよ)いした(のち)一番(いちばん)蕭瑟(わびしさ)(けむり)(きん)じる(寒食)の(うち)に。

魚書(たより)()よう()にも何由(どうやっ)(とど)けよう、(かわ)(とお)(やま)(はる)かに処処(どこまで)(つづ)く。 

2024年7月28日日曜日

宋詩004 江上の漁者

江上漁者  范仲淹

1江上往来人、但愛鱸魚美。
2君看一葉舟、出没風波裏。
 

(かわ)(ほとり)往来(ゆきか)(ひとびと)は、()鱸魚(ろぎょ)(うま)さばかりを(あい)する。

(きみ)よ (ごらんなさ)い 一葉(いっそう)(こぶね)が、(かぜ)たつ(なみ)(うち)出没(みえかくれ)しているよ。  

2024年7月27日土曜日

宋詩003 山園の小梅

山園小梅  林逋

1衆芳揺落独嬋妍、占尽風情向小園。
2疎影横斜水清浅、暗香浮動月黄昏。
3霜禽欲下先偸眼、粉蝶如知合断魂。
4幸有微吟可相狎、不須檀板共金樽。

 

(おお)くの(はな)揺落(ちりお)ちたのに(ひと)嬋妍(あざやか)に、(ちい)さな(にわ)風情(ふぜい)尽占(ひとりじ)め。

(まばら)(かげ)横斜(なな)めうつす (みず)(きよ)(あさ)く、(ひそやか)(かお)りが浮動(ただよ)く (つき)黄昏(たそがれ)どき。

(しも)(空)をとぶ(とり)()よう()として()(ぬす)()る、(しろ)(ちょう)()し(梅の白さを)()ったら(きっ)と(悔しくて)(たましい)()つだろう。

(さいわい)なことにわたしは微吟(くちずさ)んで(梅と)相狎(したし)くなることが(でき)はず()檀板(カスタネット)金樽(さけ)(もち)()くとも。 

2024年7月26日金曜日

宋詩002 春日、楼に登り、帰らんことを懐う

春日登楼懐帰  寇準

1高楼聊引望、杳杳一川平。
2野水無人渡、孤舟尽日橫。
3荒村生断靄、古寺語流鶯。
4旧業遙清渭、沈思忽自驚。

高楼(たかどの)にて(なんとな)引望(ながめやれ)れば、杳杳(はるか)(ひとすじ)(かわ)(へいや)にながれている。

(のはら)(かわ)には(わた)(ひと)()く、(ぽつん)(こぶね)尽日(ひがな)(つながれ)たまま。

(さび)れた(むら)には(とぎれとぎれ)(もや)(しょう)じ、(ふるび)(てら)では(えだわた)(うぐいす)(さえず)っている。

(むかし)(くらし)(きよ)らかな()(水)の(はる)かかなた、(ふか)(おも)って()(われ)(かえ)る。


2024年7月25日木曜日

宋詩001 寒食

寒食  王禹偁

1今年寒食在商山、山裏風光亦可憐。
2稚子就花拈蛺蝶、人家依樹繋鞦韆。
3郊原暁緑初経雨、巷陌春陰乍禁烟。
4副使官閑莫惆悵、酒銭猶有撰碑銭。

今年(ことし)寒食(かんしょく)商山(しょうざん)()るが、山裏(やま)風光(けしき)(やは)可憐(すばらし)い。

稚子(おさなご)(はな)(ちかづ)いて蛺蝶(ちょう)()り、人家(じんか)では()(よりそ)鞦韆(ブランコ)(かけ)られている。

郊原(のはら)(あかつき)(くさ)(あめ)(とおりすぎ)(ばか)り、巷陌(とおり)(ある)(うすぐもり)(けむり)(きん)じた(ばか)り。

副使(ふくし)(かん)(ひま)だが惆悵(なげ)いては(いけな)い、(さけ)をかう(かね)には()()()(かね)()るのだから。


*寒食:節句。冬至から数えて105日目からの3日間、火を使わずに冷たい食事をとる。