1残年哭知己、白日下荒台。
2涙落呉江水、随潮到海回。
3故衣猶染碧、后土不憐才。
4未老山中客、惟応賦八哀。
2涙は呉江(富春江)の水に落ち、潮に随い海に到って回る。
3故の衣は猶も碧に染まっている、后土は(文天祥の)才を不憐かったのか。
4未老い山中にひそむ客は、惟だ八哀(詩)を賦って(その魂を)なぐさめることにしよう。
2涙は呉江(富春江)の水に落ち、潮に随い海に到って回る。
3故の衣は猶も碧に染まっている、后土は(文天祥の)才を不憐かったのか。
4未老い山中にひそむ客は、惟だ八哀(詩)を賦って(その魂を)なぐさめることにしよう。
1山は深く落日して迷い、一径は窅く無涯い。
2老屋は茅に菌が生え、饑年で竹は花を有けた。
3西から来たが道路は無く、南へ去くが亦り塵沙だらけ。
4独りで蒼茫した(山野)の外に立つ、吾が(人)生 何処に家めばいいのだろう。
1秋風のふく原頭に桐の葉が飛び、幽篁の翠は冷たく山の鬼が啼いている。
2海図(の布)を拆いて児女の衣を補い、軽衫をきたまま笑って(君はこれからゆく)秦の人のすむ(桃源郷の)渓を指す。
3秦の人は(陶淵明の)晋より已前のことを知ることができるだろうが、降んだ唐や(元の)臣となった宋のことは誰がかれらの為に言すだろう(誰も話すまい)。
4忽と桃の花が渓の源を照すところに逢ったなら、請か君よ 篙を停めて船を回しては莫い。
5蓬を編んで便で渓の上の宅を結り、桃を採って薪と為て桃の実を食べよ。
6ここの山林は黄塵が三百尺、帰って来て消息を説るには不用いから。
1梅の花ほころぶ南北のわかれ路、風雨が征衣を湿らせる。
2(大庾)嶺を出えるのに誰と同に出えようか、郷に帰るのに此の如なさまで帰るとは。
3山河は千古から在だが、城郭は一時で非ってしまう。
4餓死は真に吾が志だが、(囚われの身であるから)夢の中で(いにしえの伯夷・叔斉のように)薇を採りに行こう。
1一天は秋の色 冷たく晴んだ湾、無数の峰巒が遠近間に。
2閑と山に上来って野の水を看れば、忽と水底に青山が見える。
1十月の边頭は風色が悪しく、官軍が身上る衣裘は薄い。
2押衣(係)の敕使はもう来不来か、夜は長く甲は冷たく睡りに難著い。
3長安の城中には熱くらす(高)官が多く、朱門では日が高くなっても関を未啓い。
4重重もの幃や箔に屏山まで施して、中酒で屏の外の寒も不知い。
1聖なる朝(廷)で(新しい)宝暦が開かれ、淳祐四年の春となった。
2前の丁亥より生れて、今 両つめの甲辰に逢う(還暦となった)。
3黄粱の一の夢から覚め、青い镜に二毛が新たにうつる。
4七十八歳の叟は、乾坤に幾人有るだろう(あまりいまい)。
1死い灰は復び暖まることは無いし、槁れた木が春に逢うこともない。
2近日は多病を愁い、今年は歳も辰に在っていよいよか。
3喧なところに処ても寂しいところに処る如で、旧(友)を求めて新しい(友人は)不求い。
4笑いながら問いかけてみる 長河の水よ、誰か不老の人と為るかどうか。
1江や山に一夜の雨、花や柳に九州の春。
2節(句)を過して無事を喜び、懽びを謀めて辰に要及い。
3年年仍た歳歳、故故は復た新新に。
4酒(杯)を把っても余の恨みが有るのは、従や古人に見うことも無いからだ。