淳熙丙午冬、武昌安遠楼成、与劉去非諸友落之、度曲見志。余去武昌十年、故人有泊舟鸚鵡洲者、聞小姫歌此詞、問之、頗能道其事、還呉、為余言之、興懐昔遊、且傷今之離索也。
1月冷龍沙、塵清虎落、今年漢酺初賜。
2新翻胡部曲、聴氈幕元戎歌吹。
3層楼高峙、看欄曲縈紅、檐牙飛翠。
4人姝麗、粉香吹下、夜寒風細。
5此地宜有詞仙、擁素雲黄鶴、与君遊戯。
6玉梯凝望久、嘆芳草萋萋千里。
7天涯情味、仗酒祓清愁、花消英気。
8西山外、晚来還巻、一簾秋霽。
淳熙丙午の冬、武昌の安遠楼が成て、劉去非ら諸友と与に之の落にいき、曲を度って志を見した。余は武昌を去って十年、故人に鸚鵡洲に泊舟する者が有て、小姫が此の詞を歌っているのを聞き、之に問ねると、頗もよく其の事を道うことが能た、という。呉に還って、余の為に之を言った。昔遊が興懐しく、且に今の離索を傷しんだ。
1月が龍沙に冷たい、塵は虎落に清らか、今年の漢酺が初めて賜された。
2新しく胡部の曲を翻けば、氈幕に元戎の歌吹が聴こえる。
3層楼が高峙え、欄曲が縈紅らされ、檐牙が飛って翠に看える。
4人姝は麗しく、粉香が吹下れる、夜の寒たい風細に。
5此地は詞仙が有るのに宜しい、素雲と黄鶴を擁いて、君と与に遊戯びたい。
6玉梯から久く凝望める、嘆く、芳草が萋萋と千里。
7天涯の情味、酒に仗って清愁を祓い、花で英気を消そう。
8西山の外、晚来って還た巻く、一簾は秋の霽れに。
淳熙十三年(1186)、三十二歳の作。
⇒『宋詞三百首』195翠楼吟(姜夔)
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