呉都賦云、戸蔵煙浦、家具画船。惟呉興為然、春遊之盛、西湖未能過也。己酉歳、余与蕭時父載酒南郭、感遇成歌。
1双槳来時、有人似・旧曲桃根桃葉。
2歌扇軽約飛花、蛾眉正奇絶。
3春漸遠、汀洲自緑、更添了・幾声啼鴃。
4十里揚州、三生杜牧、前事休説。
5又還是・宮燭分煙、奈愁裏匆匆換時節。
6都把一襟芳思、与空階楡莢。
7千万縷・蔵鴉細柳、為玉尊、起舞回雪。
8想見西出陽関、故人初別。
「呉都賦」に「戸は煙浦を蔵し、家は画船を具う」と云う。惟だ呉興だけは為然で、春遊の盛んなさまは、西湖も未能過いのだ。己酉の歳、余は蕭時父と与に酒を載って南郭へいき、感遇って歌を成った。
1双の槳で来た時、旧の曲の桃根・桃葉の似な人が有た。
2歌扇で軽と飛花を約え、蛾眉が正に奇絶しかった。
3春は漸に遠のき、汀洲は自緑く、更に幾声か啼く鴃が添了った。
4十里の揚州、三生の杜牧、前事は休説い。
5又還是も宮の燭で煙を分かつ、愁いの裏に匆匆と時節を換めることを奈い。
6一襟の芳思を都て把って、空した階の楡の莢に与えよう。
7千万の縷で鴉を蔵す細い柳は、玉尊の為に、起舞して雪を回らす。
8想見で西へと陽関を出る、故人と初めて別れるよう。
淳熙十六年(1189)、三十五歳の作。
⇒『宋詞三百首』187琵琶仙(姜夔)
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