2023年2月26日日曜日

白石歌017杏花天影

杏花天影

丙午之冬、発沔口、丁未正月二日、道金陵、北望淮楚、風日清淑、小舟挂席、容与波上。

1緑糸低払鴛鴦浦、想桃葉・当時喚渡。
2又将愁眼与春風、待去、倚蘭橈、更少駐。

3金陵路・鶯吟燕舞。
4算潮水・知人最苦。
5満汀芳草不成帰、日暮、更移舟、向甚処。

 

丙午()冬、沔口を()ち、丁未正月二日、金陵を(とお)り、北は淮楚を望むと、風日(けしき)清淑(すがすが)しく、小舟が()()け、容与(ゆったり)と波に(うか)んでいた。

 

緑糸(やなぎ)が低く鴛鴦の浦に()れ、桃葉が当時、()んで渡ったのだと(おも)う。

()た愁いの眼()春風と(いっしょ)に、待去(さろ)うとする、蘭の(かい)(もた)れて、(もう)(しばら)(とどま)りたい。

 

3金陵の路に、鶯が()き燕が舞う。

(おそら)潮水(しお)は、(わたし)が最も(つら)いと知っている。

満汀(みぎわいっぱい)芳草(くさ)で帰ることが不成(できな)い、日が暮れて、更に舟を(うご)かす、甚処(どこ)に向かって。


淳熙十四年(1187)、三十三歳の作。

⇒『宋詞三百首』196杏花天影(姜夔)

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