2024年9月30日月曜日

宋詩037 琵琶行

琵琶行  戴復古

1潯陽江頭秋月明、黄蘆葉底秋風声。
2銀龍行酒送帰客、丈夫不為児女情。
3隔船琵琶自愁思、何預江州司馬事。
4為渠感激作歌行、一写六百六十字。
5白楽天、白楽天。
6平生多為達者語、到此胡為不釈然。
7弗堪謫宦便帰去、廬山政接柴桑路。
8不尋黄菊伴淵明、忍泣靑衫対商婦。
 

1潯陽江(じんようこう)の頭(ほとり)に秋(あき)の月(つき)が明(あか)るい、黄(きば)んだ蘆(あし)の葉(は)の底(かげ)で秋風(あきかぜ)の声(こえ)がする。

2銀龍(かわ)で酒(さけ)を行(く)み帰客(たびびと)を送(みおく)るのに、丈夫(おのこ)が児女(おんなこども)の情(じょう)を不為(なさな)いでもよかろうに。

3隔(ほかの)船(ふね)からきこえる琵琶(びわ)(の音)は(琵琶弾き)自(みずか)らの愁思(うれい)、何(どうし)て江州(こうしゅう)司馬(しば)の事(こと)と預(かかわ)ろうか(まったく関係ない)。

4なのに渠(かのじょ)の為(ため)に感激(かんげき)して歌行(うた)を作(つく)り、一(いっき)に六百六十字(ろっぴゃくろくじゅうじ)を写(か)いた。

5白楽天(はくらくてん)よ、白楽天(はくらくてん)。

6平生(へいぜい)は達者(たっしゃ)な語(ことば)を為(つく)ることが多(おお)いのに、此(ここ)に到(いた)って胡(どうし)て釈然(しゃくぜん)と不為(しな)いのか。

7謫宦(させん)に弗堪(たえられな)いなら便(さっさ)と帰去(やめ)ればよい、廬山(ろざん)は政(まさ)に(陶淵明の故郷の)柴(さい)桑(そう)の路(みち)に接(せっ)している。

8(陶淵明の愛した)黄菊(きぎく)を尋(たず)ねて淵明(えんめい)に不伴(よりそわな)いで、忍(しの)び泣(な)いて靑衫(ひとえのころも)にて商(しょうにん)の婦(つま)(となった琵琶弾き)に対(むきあ)うとは。

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