2024年9月27日金曜日

宋詩034 四時田園雑興

四時田園雑興  范成大

春日田園雑興十二絶 其一

1柳花深巷午鶏声、桑葉尖新緑未成。
2坐睡覚来無一事、満窓晴日看蚕生。
 

1柳(やなぎ)の花(わた) 深(おくふか)い巷(ろじうら) 午(ひる)の鶏(にわとり)の声(こえ)、桑(くわ)の葉(は)は尖(とが)って新(あたら)しく(芽吹いたばかりで)緑(みどり)には未成(まだならな)い。

2坐睡(いねむり)から覚来(さめ)ても一事(すること)も無(な)く、満窓(まどいっぱい)の晴日(ひざし) 蚕(かいこ)が生(うま)れるのを看(み)ている。


晩春田園雑興十二絶 其六

1三旬蚕忌閉門中、隣曲都無歩往蹤。
2猶是暁晴風露下、采桑時節暫相逢。
 

1三旬(ひとつき)にわたる蚕(かいこ)の忌(ため)(の禁足)で閉門(へいもん)していた中(あいだ)、隣曲(となりきんじょ)は都(まった)く歩往(いきき)する蹤(あと)も無(な)くなる。

2猶(それで)も是(やは)り暁(あけがた)の晴(すがすが)しい風(かぜ)と露(つゆ)の下(もと)、桑(くわ)を采(つ)む時節(ころ)には暫(しば)し(顔をあわせて)相逢(かたら)うのだ。


夏日田園雑興十二絶 其十一

1采菱辛苦廃犁鉏、血指流丹鬼質枯。
2無力買田聊種水、近来湖面亦收租。
 

1菱(ひし)を采(と)るのに辛苦(くろう)して犁(すき)や鉏(くわ)を廃(すて)たが、血指(ゆび)は丹(ち)を流(なが)し(幽霊のように)鬼質(やせたからだ)がさらに枯(やつれ)る。

2田(た)を買(か)う力(ちから)は無(な)く聊(すこ)しばかり水(みずうみ)に種(う)えてみたが、近来(ちかごろ)は湖面(こめん)からも亦(ま)た租(ぜい)を收(とりたえら)れる。


秋日田園雑興十二絶 其二

1朱門巧夕沸歓声、田舍黄昏静掩扃。
2男解牵牛女能織、不須徼福渡河星。
 

1朱門(おやしき)の巧夕(たなばた)では(宴の)歓声(かんせい)が沸(わ)くが、田舍(いなか)の黄昏(ゆうぐれ)は静(しず)かに扃(と)を掩(しめ)める。

2男(おとこ)は牛(うし)を牵(ひ)くことが解(でき)るし女(おんな)は織(はたおり)が能(でき)る、福(ふく)を河星(ぎんが)を渡(わた)る(牽牛と織女に)徼(もと)める不須(ひつようがな)い。


冬日田園雑興十二絶 其一

1斜日低山片月高、睡余行薬繞江郊。
2霜風掃尽千林葉、閑倚筇枝数鵲巣。
 

1斜日(ゆうひ)は山(やま)に低(ひく)くかかり片(かた)われ月(つき)は高(たか)くのぼり、睡余(ねぼけ)たまま薬(くすり)のあとの行(さんぽ)で江郊(かわぞい)を繞(あるきまわ)る。

2霜(つめた)い風(かぜ)は千林(ばやし)の葉(は)を掃(は)き尽(つ)くし、閑(しず)かに筇枝(たけのつえ)に倚(よりかか)って(まるはだかの梢に姿を現した)鵲(かささぎ)の巣(す)を数(かぞ)える。

0 件のコメント:

コメントを投稿