1独坐対月心悠悠、故人不見使我愁。
2古今共伝惜今夕、況在松江亭上頭。
3可憐節物会人意、十日陰雨此夜収。
4不惟人間重此月、天亦有意於中秋。
5長空無瑕露表裏、払払漸上寒光流。
6江平万頃正碧色、上下清澈双璧浮。
7自視直欲見筋脈、無所逃遁魚龍憂。
8不疑身世在地上、祗恐槎去触斗牛。
9景清境勝返不足、嘆息此際無交游。
10心魂冷烈暁不寝、勉為此筆伝中州。
1独りで坐って月に対えば心は悠悠い、故人には不見い 我を愁えさせる。
2古も今も共に伝える 今夕を惜しむべしと、況て松江の亭の上頭に在れば。
3可憐 節物も人意を会ってか、十日つづいた陰雨が此夜は収った。
4人間で此の月を重んじる不惟く、天も亦た中秋に意が有るのだろう。
5長い空に無瑕で表裏を露し、払払と(吹く風の中)漸と上って寒な光を流ぐ。
6江は平がり 万頃 正に碧色、(江の)上も下も清澈り 双つの璧が浮かぶ。
7自らを視れば直だ筋や脈までも見えそうで、逃遁る所が無くて魚も龍も憂いていることだろう。
8不疑く身世は地上に在るが、祗ら恐れる 槎で去け斗牛(の星宿)にも触れるのではないかと。
9この景清しい境勝は返って不足で、嘆息する 此際に交游が無いことを。
10心魂は冷たくなったり烈くなったりして暁まで不寝い、勉に此筆を為いて中州(にいる君に)伝えよう。
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