2024年8月24日土曜日

宋詩012 中秋の夜、呉江亭上にて月に対し、前宰の張子野を懐い、及び君謨蔡大に寄す

中秋夜呉江亭上対月懐前宰張子野及寄君謨蔡大  蘇舜欽

1独坐対月心悠悠、故人不見使我愁。
2古今共伝惜今夕、況在松江亭上頭。
3可憐節物会人意、十日陰雨此夜収。
4不惟人間重此月、天亦有意於中秋。
5長空無瑕露表裏、払払漸上寒光流。
6江平万頃正碧色、上下清澈双璧浮。
7自視直欲見筋脈、無所逃遁魚龍憂。
8不疑身世在地上、祗恐槎去触斗牛。
9景清境勝返不足、嘆息此際無交游。
10心魂冷烈暁不寝、勉為此筆伝中州。

1独(ひと)りで坐(すわ)って月(つき)に対(むか)えば心(こころ)は悠悠(さびし)い、故人(とも)には不見(あえな)い 我(わたし)を愁(うれ)えさせ(使)る。

2古(むかし)も今(いま)も共(とも)に伝(つた)える 今夕(こよい)を惜(お)しむべしと、況(まし)て松江(しょうこう)の亭(あずまや)の上頭(ほとり)に在(い)れば。

3可憐(ああ) 節物(つき)も人意(きもち)を会(わか)ってか、十日(とおか)つづいた陰雨(あめ)が此夜(こよい)は収(あが)った。

4人間(このよ)で此(こ)の月(つき)を重(おも)んじる不惟(だけでな)く、天(てん)も亦(ま)た中秋(ちゅうしゅう)に(於)意(こころ)が有(あ)るのだろう。

5長(はてしな)い空(そら)に無瑕(むきず)で表裏(すみずみ)を露(てら)し、払払(そよそよ)と(吹く風の中)漸(ゆっくり)と上(あが)って寒(ひややか)な光(ひかり)を流(そそ)ぐ。

6江(かわ)は平(ひろ)がり 万頃(みはるかす) 正(まさ)に碧色(みどり)、(江の)上(うえ)も下(した)も清澈(すみわた)り 双(ふた)つの璧(たま)が浮(う)かぶ。

7自(みずか)らを視(み)れば直(た)だ筋(すじ)や脈(みゃく)までも見(み)えそう(欲)で、逃遁(のがれ)る所(ところ)が無(な)くて魚(さかな)も龍(りゅう)も憂(うれ)いていることだろう。

8不疑(まごうかたな)く身世(からだ)は地上(ちじょう)に在(あ)るが、祗(ひたす)ら恐(おそ)れる 槎(いかだ)で去(い)け斗牛(とぎゅう)(の星宿)にも触(ふ)れるのではないかと。

9この景清(すばら)しい境勝(けしき)は返(かえ)って不足(ふそく)で、嘆息(たんそく)する 此際(ここ)に交游(とも)が無(いな)いことを。

10心魂(こころ)は冷(つめ)たくなったり烈(あつ)くなったりして暁(あかつき)まで不寝(ねむれな)い、勉(むり)に此筆(このこと)を為(か)いて中州(みやこ)(にいる君に)伝(つた)えよう。

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