2024年8月18日日曜日

宋詩007 悼亡三首

悼亡三首  梅堯臣

其の一

1結髮為夫婦、於今十七年。
2相看猶不足、何況是長捐。
3我鬢已多白、此身寧久全。
4終当与同穴、未死涙漣漣。

1結髮(せいじん)して夫婦(ふうふ)と為(な)り、於今(いままで)で十七年(じゅうななねん)。

2相看(みあわ)せても猶(ま)だ不足(たりな)かったのに、何況(まし)て是(こうし)て長(とわ)に捐(すて)られて。

3我(わたし)の鬢(びん)は已(すで)に多(ほとん)ど白(しろ)い、此(こ)の身(み)も寧(どうし)て久(ひさし)しく全(たも)てよう。

4終(つい)には当(まさ)に与(とも)に同(おな)じ穴(はか)にはいるだろうが、未(ま)だ死(し)にもせず涙(なみだ)が漣漣(はらはら)こぼれる。

 

其の二 

1每出身如夢、逢人強意多。
2帰来仍寂寞、欲語向誰何。
3窓冷孤蛍入、宵長一雁過。
4世間無最苦、精爽此銷磨。

 

1そとに出(で)る每(たび)に身(み)は夢(ゆめ)のなかの如(よう)、人(ひと)に逢(あ)えば強意(むり)が多(おお)い。

2帰来(かえ)れば仍(やは)り寂寞(さびし)い、語(はなしかけ)よう(欲)として誰何(だれ)に向(むか)えばいいのか。

3窓(まど)は冷(ひや)やか孤(いっぴき)の蛍(ほたる)が入(はい)ってきて、宵(よる)は長(なが)く一(いちわ)の雁(かり)が過(よぎ)る。

4世間(せけん)には最(さら)なる苦(くる)しみは無(な)く、精爽(たましい)は此(ここ)に銷磨(すりへ)るばかり。

 

其の三

1従来有修短、豈敢問蒼天。
2見尽人間婦、無如美且賢。
3譬令愚者寿、何不仮其年。
4忍此連城宝、沈埋向九泉。

1従来(じゅうらい)(人の寿命には)修(なが)い短(みじか)いが有(あ)り、豈(どうし)て敢(あえ)て蒼天(てん)に問(と)うだろう(問いはしない)。

2人間(このよ)の婦(じょせい)を見尽(みつく)したが、美(うつく)しく且(か)つ賢(かしこ)いさまは無如(ぴかいち)だった。

3譬令(かり)に愚者(おろかもの)が寿(ながいき)なら、何(どうし)て其(そ)の年(とし)を不仮(かしてくれ)いのだろう。

4忍(たえ)られるだろうか、此(こ)の連(れん)城(じょう)の宝(たから)が、沈(しず)み埋(う)もれて九泉(よみのくに)に向(むか)うことに。

 

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