2023年10月16日月曜日

詩経154 国風・豳風・七月

1七月流火、九月授衣。一之日觱発、二之日栗烈。無衣無褐、何以卒歳。三之日于耜、四之日挙趾。同我婦子、饁彼南畝、田畯至喜。
2七月流火、九月授衣。春日載陽、有鳴倉庚。女執懿筐、遵彼微行、爰求柔桑。春日遅遅、采蘩祁祁。女心傷悲、殆及公子同帰。
3七月流火、八月萑葦。蠶月条桑、取彼斧斨、以伐遠揚、猗彼女桑。七月鳴鵙、八月載績。載玄載黄、我朱孔陽、為公子裳。
4四月秀葽、五月鳴蜩。八月其穫、十月隕蘀。一之日于貉、取彼狐狸、為公子裘。二之日其同、載纘武功、言私其豵、献豜于公。
5五月斯螽動股、六月莎雞振羽。七月在野、八月在宇、九月在戸。十月蟋蟀、入我牀下。穹窒熏鼠、塞向墐戸。嗟我婦子、曰為改歳、入此室処。
6六月食鬱及薁、七月亨葵及菽。八月剝棗、十月穫稲。為此春酒、以介眉寿。七月食瓜、八月断壺、九月叔苴、采荼薪樗。食我農夫。
7九月築場圃、十月納禾稼。黍稷重穋、禾麻菽麦。嗟我農夫、我稼既同、上入執宮功。昼爾于茅、宵爾索綯。亟其乗屋、其始播百穀。
8二之日鑿氷沖沖、三之日納于凌陰。四之日其蚤、献羔祭韭。九月肅霜、十月滌場。朋酒斯饗、曰殺羔羊。躋彼公堂、称彼兕觥、万寿無疆。

1七月(しちがつ)は火(なかごぼし)が(西へ)流(かたむ)く、九月(くがつ)は衣(ころも)を授(かえ)る。

一之日(じゅういちがつ)は觱発(かぜつめた)く、二之日(じゅうにがつ)は栗烈(こごえ)るよう。

衣(ころも)が無(な)く褐(ぬのこ)が無(な)くては、何以(どうやっ)て歳(とし)を卒(こ)せようか。

三之日(いちがつ)は于(ここ)に耜(すき)(の手入れ)して、四之日(しがつ)は趾(あし)を挙(あ)げる(耕し始める)。

我(わ)が婦(よめ)と子(こ)と同(いっしょ)に、彼(か)の南(みなみ)の畝(はたけ)に饁(べんとうはこ)べば、田畯(みまわり)(役人)も至(き)て喜(よろこ)ぶ。

2七月(しちがつ)は火(なかごぼし)が(西へ)流(かたむ)く、九月(くがつ)は衣(ころも)を授(かえ)る。

春(はる)の日(ひ)は載(すなわ)ち陽(あたたか)く、鳴(な)く倉庚(うぐいす)が有(い)る。

女(むすめ)は懿筐(かご)を執(も)ち、彼(か)の微行(こみち)に遵(そ)って、爰(ここ)に柔(やわら)かい桑(くわ)を求(さが)す。

春(はる)の日(ひ)は遅遅(のたりのたり)、蘩(しらよもぎ)を采(と)るひとが祁祁(わんさか)。

女(むすめ)心(ごころ)は傷悲(やるせな)い、殆(まさ)に公子(とのがた)に(及)同帰(とつ)ぎましょう。

3七月(しちがつ)は火(なかごぼし)が(西へ)流(かたむ)く、八月(はちがつ)は萑葦(あし)(を刈る)。

蠶(さん)月(がつ)は桑(くわ)の条(えだ)、彼(か)の斧斨(おの)を取(と)り、以(そうし)て遠(なが)い揚(えだ)を伐(き)り、彼(か)の女(ちいさ)い桑(くわ)(の葉)を猗(しごきと)る。

七月(しちがつ)は鵙(もず)が鳴(な)く、八月(はちがつ)は載(すなわ)ち(麻を)績(つむ)ぐ。

載(すなわ)ち玄(くろ)に 載(すなわ)ち黄(き)に、我(わたし)の朱(しゅ)は孔(はなは)だ陽(あざやか)だ、公子(とのがた)の裳(もすそ)を為(つく)ろう。

4四月(しがつ)は葽(からすうり)が秀(みをつけ)る、五月(ごがつ)は蜩(ひぐらし)が鳴(な)く。

八(はち)月(がつ)は其(そ)れ穫(かりと)り、十月(じゅうがつ)は蘀(かれは)が隕(お)ちる。

一之日(じゅういちがつ)は于(ここ)に貉(むじな)や、彼(か)の狐(きつね)や狸(たぬき)を取(と)り、公子(とのがた)の裘(かわごろも)を為(つく)る。

二之日(じゅうにがつ)は其(そ)れ同(あつま)って、載(すなわ)ち武功(かり)を纘(きそいあ)う、

言(ここ)に其(そ)の豵(ちいさいいのこ)を私(じぶんのもの)とし豜(おおきいいのこ)を公(おかみ)に献(さしあげ)る。

5五月(ごがつ)は斯螽(バッタ)が股(あし)を動(うご)かし、六月(ろくがつ)は莎雞(くつわむし)が羽(はね)を振(ふる)わせる。

七月(しちがつ)は野(の)に在(い)て、八月(はちがつ)は宇(のき)に在(い)て、九月(くがつ)は戸(と)に在(い)る。

十(じゅう)月(がつ)は蟋蟀(コオロギ)が、我(わ)が牀(とこ)の下(した)に入(はい)る。

穹窒(すきまふさ)いで鼠(ねずみ)を熏(いぶ)し、向(まど)を塞(ふさ)いで戸(と)(の隙間)を墐(ぬ)る。

嗟(ああ) 我(わ)が婦(よめ)よ子(こ)よ、曰(ここ)に改歳(としこし)を為(す)るぞ、此(こ)の室(へや)に入(はい)って(じっとして)処(お)れ。

6六月(ろくがつ)は鬱(にわうめ)と(及)薁(のぶどう)を食(た)べ、七月(しちがつ)は葵(あおい)と(及)菽(まめ)を亨(に)る。

八月(はちがつ)は棗(なつめ)を剝(うちおと)し、十月(じゅうがつ)は稲(いね)を穫(か)る。

此(これ)で春(はる)の酒(さけ)を為(つく)り、以(そうし)て眉寿(ながいき)を介(たす)ける。

七(しち)月(がつ)は瓜(うり)を食(た)べ、八月(はちがつ)は壺(ひょうたん)(の蔓)を断(た)ち、

九月(くがつ)は苴(あさのみ)を叔(ひろ)い、荼(のげし)を采(つ)み樗(おうち)を薪(まき)にする。

我(わ)が農(のう)夫(ふ)を食(やしな)う。

7九月(くがつ)は(稲打ち)場(ば)を圃(たんぼ)に築(つく)り、十月(じゅうがつ)は禾稼(さくもつ)を(納屋に)納(おさ)める。

黍(もちきび) 稷(うるきび) 重(おくて) 穋(わせ)、禾(あわ) 麻(あさ) 菽(まめ) 麦(むぎ)。

嗟(ああ) 我(わ)が農(のう)夫(ふ)よ、我(わ)が稼(さくもつ)は既(すで)に同(あつま)った、(室内に)上入(はい)って宮功(へやしごと)を執(や)れ。

昼(ひる)は爾(なんじ)ら 于(ここ)に茅(ちがや)をとり、宵(よる)は爾(なんじ)ら 綯(なわ)を索(な)え。

亟(すみやか)に其(そ)れ屋(やね)に乗(の)り(葺き直し)、其(そ)れ始(はじ)めて百(ひゃく)穀(こく)を播(ま)こう。

8二之日(じゅうにがつ)は氷(こおり)を鑿(うがつ)つ 沖沖(トントン)と、三之日(しょうがつ)は凌陰(ひむろ)に(于)納(おさ)める。

之四日(にがつ)は其(そ)れ(朝)蚤(はや)くから、羔(こひつじ)を献(そな)えて韭(にら)を祭(まつ)る。

九月(くがつ)は肅(きび)しい霜(しも)、十月(じゅうがつ)は(稲打ち)場(ば)を滌(あら)う。

朋(ふた)たるの酒(さけ)で斯(ここ)に饗(うたげ)する、曰(ここ)に羔(こひつじ)と羊(ひつじ)を殺(ころ)す。

彼(か)の公堂(こうどう)に躋(のぼ)り、彼(か)の兕觥(さかずき)を称(あ)げ、万寿(いつまで)も無疆(ながいき)を。

 

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