2023年9月4日月曜日

詩経058 国風・鄘風・氓

1氓之蚩蚩、抱布貿糸。匪来貿糸、来即我謀。送子涉淇、至于頓丘。匪我愆期、子無良媒。将子無怒、秋以為期。
2乗彼垝垣、以望復関。不見復関、泣涕漣漣。既見復関、載笑載言。爾卜爾筮、体無咎言。以爾車来、以我賄遷。
3桑之未落、其葉沃若。于嗟鳩兮、無食桑葚。于嗟女兮、無与士耽。士之耽兮、猶可説也、女之耽兮、不可説也。
4桑之落矣、其黄而隕。自我徂爾、三歳食貧。淇水湯湯、漸車帷裳。女也不爽、士貳其行。士也罔極、二三其徳。
5三歳為婦、靡室労矣。夙興夜寐、靡有朝矣。言既遂矣、至于暴矣。兄弟不知、咥其笑矣。静言思之、躬自悼矣。
6及爾偕老、老使我怨。淇則有岸、隰則有泮。総角之宴、言笑晏晏。信誓旦旦、不思其反。反是不思、亦已焉哉。

1氓(ふうらいぼう)が(之)蚩蚩(いそいそ)と、布(ぬの)を抱(かか)えて糸(いと)と貿(かえ)る。

糸(いと)と貿(かえ)に来(き)たのでは匪(な)い、来(き)て我(わたし)に即(つ)いて謀(さそ)うためだ。

子(おとこ)を送(おく)って淇(き)(水)を涉(わた)り、頓(とん)丘(きゅう)まで(于)至(やってき)た。

我が(わたし)期(やくそく)を愆(たがえ)ようとするのでは匪(な)い、子(あなた)に良(よ)い媒(なこうど)が無(いな)いから。

将(どう)か子(あなた)よ 無怒(おこらな)いで、秋(あき)には以(それ)で期(やくそく)と為(し)ます。

2彼(あ)の垝(くず)れた垣(かきね)に乗(の)って、以(そうし)て(男のいる)復関(ふくかん)のほうを望(なが)める。

復関(ふくかん)が不見(みえな)い、泣涕(なみだ)が漣漣(ぽろぽろ)。

既(やっ)と復関(ふくかん)が見(み)えると、さては(載)笑(わら)いさては(載)言(おしゃべり)する。

爾(あなた)の卜(うらない) 爾(あなた)の筮(うらない)、体(けっか)に咎言(ふきつ)が無(な)いならば。

爾(あなた)の車(くるま)で(以)来(き)てください、我(わたし)の賄(にもつ)を以(まとめ)て遷(ゆ)きます。

3桑(くわ)が(之)未落(おちな)いうちは、其(そ)の葉(は)は沃若(つややか)。

于嗟(ああ) 鳩(はと)よ(兮)、桑(くわ)の葚(み)を無食(たべな)いでくれ。

于嗟(ああ) 女(おんな)よ(兮)、士(おとこ)と(与)耽(ふけ)ては無(いけな)い。

士(おとこ)が(之)耽(ふけ)るのは(兮)、猶(ま)だ説(いいわけ)が可(でき)るものだ(也)、

女(おんな)が(之)耽(ふけ)るのは(兮)、説(いいわけ)が不可(できな)いのだ(也)。

4桑(くわ)が(之)落(お)ちるよ(矣)、其(そ)れ黄(きいろ)くなって(而)隕(お)ちる。

我(わたし)が爾(あなた)について徂(い)ってから(自)、三歳(さんねん)は食貧(まず)しかった。

淇水(きすい)は湯湯(なみなみ)、車(くるま)の帷裳(ほろ)まで漸(ひた)った。

女(おんな)は(也)不爽(たがわな)かった、士(おとこ)は其(そ)の行(おこない)を貳(たが)えた。

士(おとこ)は(也)罔極(とめどな)い、其(そ)の徳(とく)を二三(あちこち)に。

5三歳(さんねん) 婦(よめ)と為(な)り、室(かじ)の労(くろう)は靡(かまわ)かった(矣)。

夙(はや)く興(お)き夜(よる)に寐(ね)て、朝(あさ)に(休みが)有(あ)ることは靡(な)かった(矣)。

さて(言)既(やっ)と遂(おちつい)いた(矣)、すると暴(あば)れられることになった(至于矣)。

兄弟(きょうだい)は不知(しらな)いふり、咥(したうち)して其(そ)れ笑(わら)うだけだ(矣)。

静(しず)かにさて(言)之(これ)を思(おも)えば、躬(ひとり)で自(みずか)ら悼(かな)しむだけだ(矣)。

6爾(あなた)と偕(とも)に老(お)いようと及(して)も、老(お)いて我(わたし)を使怨(うらませ)るだけ。

淇(き)(水)には則(すなわ)ち岸(きし)が有(あ)る、隰(さわ)には則(すなわ)ち泮(きし)が有(あ)る。

総(あげ)角(まき)の(之)(新婚時代の)宴(たの)しさ、言(かた)り笑(わら)った 晏晏(むつまじ)く。

信誓(ちかい)は旦旦(はっきり)、其(そ)れ反(そむ)かれるとは不思(おもわな)かった。

反(そむ)かれるとは是(こ)れ不思(おもわな)かったが、亦(ま)た已(どうしようもな)いのだ(焉哉)。

 

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