詠柳
1青青官柳、飛過双双燕。
2楼上対春寒、捲珠簾瞥然一見。
3如今春去、香絮乱因風、霑径草、惹牆花、一一教誰管。
4陽関去也、方表人腸断。
5幾度払行軒、念衣冠尊前易散。
6翠眉織錦、紅葉浪題詩、烟渡口、水亭辺、長是心先乱。
柳を詠む
1青青した官柳、飛び過ぎる双双の燕。
2楼上で春の寒さに対い、珠簾を捲きあげて瞥然と一見る。
3如今や春は去り、香絮が乱れて風の因で、径の草に霑し、牆の花に惹き、一つ一つ誰に管らせようか。
4陽関を去って、方表の人は腸断しい。
5幾度も行軒を払い、衣冠と尊前で散れ易いことを念う。
6翠眉は錦を織り、紅葉は浪にうかべて詩を題いた、烟る渡口、水べの亭の辺、長是も心が先に乱れる。
制作年、未詳。 1官柳:官府に植えられた柳。官道や宮園の柳。 2瞥然:さっとかすめるように。 4陽関:王維「送元二使安西」に「勧君更尽一杯酒、西出陽関無故人」とある。 方表:四方の外。域外。 5行軒:旅の車。 衣冠:士大夫。 6翠眉:美しい女性。 「紅葉」句:宮女が葉に詩を書いて、宮廷の溝から外へ流した故事。
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