2023年3月4日土曜日

白石歌057卜算子③

卜算子

1蘚幹石斜妨、玉蕊松低覆。
2日暮冥冥一見来、略比年時痩。

3涼観酒初醒、竹閣吟纔就。
4猶恨幽香作許慳、小遅春心透。〈涼観在孤山之麓南北梅最奇竹閣在涼観西今廃〉

 

1蘚むす幹に、石は斜めに妨(じゃま)をして、玉(しろ)い蕊(ずい)に、松が低く覆(かぶさ)る。

2日暮れて冥冥(くら)い、来て一見(み)れば、年時(これまで)より(比)略(や)や痩せたよう。

 

3涼観で酒が初(やっ)と醒め、竹閣で吟(し)が纔(ようや)く就(でき)る。

4猶(ま)だ恨む、幽香(かおり)が許慳(けち)を作(し)て、小(しばら)く春の心が透(とお)るのが遅れることを。


開禧三年(1207)、五十三歳の作。 1蘚幹:古い梅の樹に苔が生えているさま。 3涼観:自注に「涼観は孤山の麓に在り、南北の梅は最も奇である」とある。 竹閣:自注に「竹閣は涼観の西に在り、今は廃れた」とある。 4許慳:惜しむこと。

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