謝人惠竹榻
1楚山修竹、自娟娟・不受人間袢暑。
2我酔欲眠伊伴我、一枕涼生如許。
3象歯為材、花藤作面、終是無真趣。
4梅風吹溽、此君直恁清苦。
5須信下榻殷勤、翛然成夢、夢与秋相遇。
6翠袖佳人来共看、漠漠風烟千畝。
7蕉葉窓紗、荷花池館、別有留人処。
8此時帰去、為君聴尽秋雨。
人が竹の榻を惠んでくれたことに謝す
1楚の山の修竹は、自ら娟娟で、人間の袢暑を不受い。
2我は酔って眠りたい、伊が我の伴をする、一枕に涼しさが如許生じるだろう。
3象歯を材と為て、花藤を面と作ても、終是は真の趣は無い。
4梅の風が溽さを吹きはらい、此の君は直と恁に清苦しい。
5須信と榻に殷勤に下れば、翛然に夢を成て、夢で秋と相遇うだろう。
6翠の袖の佳人が来て共に看る、漠漠と風ふき烟たなびく千畝を。
7蕉の葉のしげる窓紗、荷の花さく池館、別に人を留める処が有る。
8此の時、帰去って、君の為に秋の雨を聴き尽くそう。
制作年、未詳。 0竹榻:竹の小さなベッド。 1修竹:長い竹。 娟娟:しなやかなさま。 袢暑:溽暑、炎暑。 2我酔欲眠:李白「山中与幽人対酌」に「我酔欲眠卿且去、明朝有意抱琴来」とある。 4梅風:初夏の梅の実が黄色く熟す頃の風。 此君:竹のこと。『晋書』「王徽之伝」に王徽之が「嘗寄居空宅中、便令種竹。或問其故、徽之但嘯詠指竹曰、何可一日無此君邪」とある。 恁:このように。 清苦:貧を守り刻苦する。 5翛然:自由で洒脱なさま。『荘子』「大宗師」に「翛然而往、翛然而来而已矣」とあり、成玄英の疏に「翛然、無繋貌也」という。 6翠袖佳人:杜甫「佳人」に「天寒翠袖薄、日暮倚修竹」とある。 7窓紗:窓にはってある紗。楊万里「初夏睡起」其一に「梅子留酸軟歯牙、芭蕉分緑与窓紗」とある。 池館:池のそばの建物。
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