2023年3月5日日曜日

白石歌021訴衷情

訴衷情

端午宿合路

1石榴一樹浸渓紅、零落小橋東。
2五日凄涼心事、山雨打船篷。

3諳世味、楚人弓、莫忡忡。
4白頭行客、不採蘋花、孤負薰風。

 

端午合路に宿る

 

1石榴の一樹が渓を紅く()めるころ、小さな橋の東に零落する。

2五日の凄涼(わび)しい心事(こころ)、山の雨が船の(とま)を打つ。

 

3(私は)世味(せけん)(くら)い、楚人の弓を、忡忡(うれ)いてはいけない()

白頭(しらがあたま)行客(たびびと)蘋花(うきくさ)不採(とらな)い、薰風に孤負(そむ)いて。


制作年、未詳。 0合路:橋の名。江蘇呉県にある。 2五日凄涼:江に身を投げた屈原のために、ちまきを江へ投げ入れる風習がある。 3楚人弓:『孔子家語』「好生」に「楚王失弓、楚人得之、又何求之」とあり、後に失ったがまた手に入れた物をいう。多くは、ものを失っても達観している態度をいう。 忡忡:憂えるさま。『詩経』召南「草虫」に「未見君子、憂心忡忡」とある。 4蘋:水草の名。 薰風:おだやかな東南の風。

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