2023年3月5日日曜日

白石歌010好事近

好事近

賦茉莉

1涼夜摘花鈿、苒苒動揺雲緑。
2金絡一団香露、正紗厨人独。

3朝来碧縷放長穿、釵頭罣層玉。
4記得如今時候、正荔枝初熟。

 

茉莉を()

 

1涼しい夜に花鈿(はな)を摘む、苒苒(ゆらゆら)動揺(ゆれ)雲緑()

金絡(うま)一団(ひとかたまり)の香露、(ちょう)紗厨(うすいカーテン)のなか、(あのひと)は独り。

 

3朝が来て碧縷(みどりのいと)放長穿(くさり)にし釵頭(かんざし)層玉(はなぶさ)(かけ)

記得(おもいだ)す、如今(いま)時候(ころ)(ちょう)ど荔枝が(やっ)と熟す。


制作年、未詳。 0茉莉:夏から秋にかけて小さな白い花をつける。 1花鈿:女性の首飾り。ここは茉莉をいう。 苒苒:葉が柔らかいさま。 雲緑:黒い豊かな髪。茉莉の葉が茂っているさま。 2金絡:黄金の頭絡。馬の頭につける馬具で、ふつうは革製。 紗厨:紗のとばり。李清照「酔花陰」に「佳節又重陽、玉枕紗厨、半夜涼初透」とある。 3碧縷:みどりの糸。枝をいう。 層玉:玉のように重なる茉莉花。

0 件のコメント:

コメントを投稿