1呉児牽挽酔蓴鱸、
2今日西帰略自如。
3別路冷雲随駅馬、
4望郷喬木記吾廬。
5湘中花月偏憐酒、
6淮左児童待擁車。
7凡我旧遊君更歴、
8橘洲相見訝無書。
左真州が長沙に還るのを送る
1呉の児に牽挽められて蓴や鱸で酔い、
2今日の西への帰りは、略ぼ自如でしょう。
3別れてからの路には冷たい雲が駅馬に随い、
4郷を望むと喬木が吾廬の記となるでしょう。
5湘中の花月に偏ら酒が憐み、
6淮左の児童は待ちかまえて車を擁むでしょう。
7凡て我が旧遊したあたりを、君は更に歴ねる、
8橘洲で相見ったら、(人々は私の)無書を訝るでしょう。
紹熙二年(1191)、三十七歳の作か。 0左真州:左昌時。『隆慶儀真県志』巻五、守臣題名に「左昌時、番陽人、淳熙末任」とあり、楊万里「真州重建壮観亭記」に「今太守左侯昌時」とある。「壮観亭記」が書かれたのは紹熙二年四月六日。 1蓴鱸:蓴菜(じゅんさい)の羹(あつもの)と鱸(すずき)の膾(なます)。張翰がその味を思い出し、辞職して故郷に帰った故事。ここは逆に、故郷に帰るのを引き止められた、と詠んでいる。 3駅馬:駅で提供される馬。公文書の伝達や官吏の往来に使われる。 5偏憐:偏愛する。 6淮左:淮河以東の地域。天子(南面する)から見て左側が東。 児童待擁車:後漢の郭伋の故事。并州の刺史として任に赴く時、河東の数百の児童が竹馬に乗って迎えた、という。 8橘洲:長沙の別名。橘の産地。
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