2023年2月9日木曜日

白石詩046送左真州還長沙

送左真州還長沙

1呉児牽挽酔蓴鱸、
2今日西帰略自如。
3別路冷雲随駅馬、
4望郷喬木記吾廬。
5湘中花月偏憐酒、
6淮左児童待擁車。
7凡我旧遊君更歴、
8橘洲相見訝無書。

  

左真州が長沙に(かえ)るのを(みおく)

 

1呉の(ひと)牽挽(ひきとめ)められて(じゅんさい)(スズキ)で酔い、

2今日の西への帰りは、()自如(おもいどおり)でしょう。

3別れてからの路には冷たい雲が駅馬(つぎうま)に随い、

(ふるさと)を望むと喬木が吾廬(わがや)(しるし)となるでしょう。

5湘中の花月に(ことさ)ら酒が(すす)み、

6淮左の児童(こどもたち)は待ちかまえて車を(かこ)むでしょう。

(すべ)(わたし)が旧遊したあたりを、君は更に(たず)ねる、

8橘洲で相見()ったら、(人々は私の)無書(ぶさた)(いぶか)るでしょう。


紹熙二年(1191)、三十七歳の作か。 0左真州:左昌時。『隆慶儀真県志』巻五、守臣題名に「左昌時、番陽人、淳熙末任」とあり、楊万里「真州重建壮観亭記」に「今太守左侯昌時」とある。「壮観亭記」が書かれたのは紹熙二年四月六日。 1蓴鱸:蓴菜(じゅんさい)の羹(あつもの)と鱸(すずき)の膾(なます)。張翰がその味を思い出し、辞職して故郷に帰った故事。ここは逆に、故郷に帰るのを引き止められた、と詠んでいる。 3駅馬:駅で提供される馬。公文書の伝達や官吏の往来に使われる。 5偏憐:偏愛する。 6淮左:淮河以東の地域。天子(南面する)から見て左側が東。 児童待擁車:後漢の郭伋の故事。并州の刺史として任に赴く時、河東の数百の児童が竹馬に乗って迎えた、という。 8橘洲:長沙の別名。橘の産地。

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