2023年2月8日水曜日

白石詩044次韻千巌雑謡

次韻千巌雑謡

1中散平生七不堪、
2鳳麈時時伴燕談。
3道士有神伝火棗、
4故人無字入雲藍。
5雨涼竹葉宜三酌、
6日落荷花倚半酣。
7極欲扁舟南蕩去、
8冷鷗軽燕略相諳。

 

千巌の「雑謡」に次韻する

 

中散(けいこう)には平生、七つの不堪(たえられな)いことがあり、

(ほうおう)(ほっす)時時(しばしば)燕談(むだばなし)(とも)にしていた。

道士(あなた)には(ちから)が有り、火棗(くすり)を伝えるが、

故人(わたし)には雲藍にかき入れる字が無い。

5雨は涼しく、竹葉(さけ)は三たび()むのに宜しい、

6日が落ち、荷の花が半酣(ほろよい)(もた)れかかっている。

極欲(すぐ)扁舟(こぶね)で南蕩に去ろうとしているが、

(かもめ)軽燕(つばめ)()ぼ(あなたの謡を)相諳(そら)んじています。


淳熙十五年(1188)、三十四歳の作か。 0千巌:蕭徳藻。 雑謡:未詳。 1中散平生七不堪:嵇康「与山巨源絶交書」に「有必不堪者七」とある。 2麈:払子(ほっす)。 燕談:閑談。むだ話。 3火棗:伝説中の仙果、食べると羽化できる。 4雲藍:唐の段成式 が九江にいた時に作った紙の名。段成式『寄温飛卿箋紙』詩序に見える。 5竹葉:「竹葉青」という酒の名。また広く美酒をいう。 7極欲:なるべく早く。 南蕩:銭塘県の定山北郷の里の一つ。『咸淳臨安志』巻二十「郷里」に「銭塘県管十三郷、……定山北郷管里四、排山・徐山・牛坊・南蕩」とある。

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