1京塵吹帽汗淋衣、
2相見頻年只道帰。
3省裏移文那得了、
4家辺持節未為非。
5煮乾碧海知誰用、
6割尽黄雲尚告飢。
7可得不為根本計、
8秋風還見鴈南飛。
王徳和が淮東に提挙としてゆくのを送る
1京の塵に帽を吹かれ、汗が衣を淋す、
2相見うと頻年、只だ(故郷に)帰ることばかり道っていた。
3省裏で文を移しても那得了い、
4家の辺に持節するのも未為非い。
5碧海を煮て乾かして(塩を作って)も誰が用うのか知い、
6黄雲を割り尽くしても尚だ飢えが告られる。
7根本の計を可得不為い、
8秋風に還た鴈が南へ飛ぶのが見える。
慶元元年(1195)か二年(1196)、四十一歳か四十二歳の作。 王徳和:王寧、字は徳和、江陰(江蘇省)の人。孝宗乾道二年(1166)の進士。寧宗慶元元年に太府寺丞兼左曹郎官に遷り(『宋会要輯稿』「選挙」二一之六)、三年に淮東提挙を罷免された(『宋会要輯稿』「職官」七四之二)。 提挙:特殊な事務を指導する役。提挙水利・提挙茶塩などがあった。 4持節:命を受けて赴任すること。符節を持って行ったことから。 6黄雲:成熟した稲や麦の喩え。
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