2023年2月8日水曜日

白石詩040寄田郎

寄田郎

1楚楚田郎亦大奇、
2少年風味我曾知。
3春城寒食誰相伴、
4夜月梨花有所思。
5剪燭屢呼金鑿落、
6倚窓間品玉参差。
7含情不擬逢人説、
8鸚鵡能歌自作詞。

 

(くん)に寄せる

 

楚楚(あざやか)な田(くん)()た大いに(すぐ)れて、

少年(わか)いころの風味(ふうさい)(わたし)(かつ)て知っている。

3春の(まち)は寒食で、誰が相伴(とも)をするのか、

4夜の月、梨の花、有所思(したわ)しい。

(ともしび)(の芯)を()って(しばし)金鑿落(さけ)(もと)め、

6窓に(もた)れて(しずか)玉参差(ふえのね)(あじわ)う。

(おもい)(かく)し、人に逢って(かた)ることは不擬(しな)いが、

8鸚鵡が(わたし)の作った詞を歌えて()しまう。


淳熙十六年(1189)、三十五歳の作か? 0田郎:田幾道。「夜行船」詞序に見える。あるいは「凄涼犯」詞序に見える田正徳か。 1楚楚:鮮やかなさま。『詩経』曹風「蜉蝣」に「蜉蝣之羽、衣裳楚楚」とあり、毛伝に「楚楚、鮮明貌」という。 4有所思:楽府題に「有所思」がある。 5金鑿落:金を象嵌した酒杯。 6玉参差:玉(ぎょく)の排簫。

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