2023年2月7日火曜日

白石詩037次韻胡仲方因楊伯子見寄

次韻胡仲方因楊伯子見寄

1此去廬陵定幾程、
2向来邛杖未経行。
3懸知征棹雲辺集、
4大有吟情雪裏生。
5楚渡食萍応甚美、
6舜祠吹玉直能清。
7二君即日青冥上、
8惟我春山帯雨耕。〈仲方得萍郷宰伯子得営道倅〉

胡仲方が楊伯子に因(よ)って寄せられ(見)た(詩に)次韻する

 

1此(ここ)から去ること廬陵は、定(いった)い幾(どれ)程(ほど)か、

2向来(これまで)、邛杖(つえ)つきながら経行(い)ったことはな(未)い。

3懸知(きっ)と、征(たびゆ)く棹(ふね)は雲の辺りに集まり、

4大いに有るでしょう、雪の裏(なか)で情を吟じるきもちが生まれることが。

5楚(王)が(江を)渡るときに食べた萍(うきくさ)(の実)は、応(きっ)と甚だ美(おいし)く、

6舜の祠では玉(笛)を吹いて、直(ひたす)ら(音色は)清らかでしょう(能)。

7二君は即日、青冥(せいうん)の上(そば)、

8惟(た)だ我(わたし)だけは春の山で、雨に帯(ふ)られながら耕やす。

〈仲方が萍郷の宰を得て、伯子が営道の倅を得た〉


開禧元年(1205)、五十一歳の作。 0胡仲方:胡榘、字は仲方、廬陵(江西省吉安)の人。 楊伯子:楊長孺、字は伯大・詩之、号は東山、廬陵(江西省吉安)の人。楊万里の子。 2邛杖:邛竹杖。邛崍山(四川省成都西南)の竹で作った杖。 3懸知:予想する。予知する。 5楚渡食萍:楚の昭王が川を渡った時、赤く丸いものが浮かんでいて、孔子が「これは萍実(うきくさの実)で、覇者だけが手に入れることのできる吉祥だ、と答えた故事。『孔子家語』「致思」に「楚王渡江、江中有物大如斗、円而赤、直觸王舟、舟人取之、王大怪之、遍問群臣、莫之能識。王使使聘于魯,問於孔子。子曰、此所謂萍実者也、可剖而食也、吉祥也、唯霸者為能獲」とある。 6舜祠吹玉:舜の時、西王母が白玉で作った笛を授け、漢の章帝の時、零陵の儒生奚景が舜の祠でそれを見つけた故事。『風俗通』などに見える。 7青冥:青雲。王維「華嶽」詩に「連天疑黛色、百里遥青冥」とある。 8萍郷:江西省宜春県西。 宰:仕事をとりしきる。仲方はこの時、萍郷の県令の任を得た。 営道:湖南省道県。道州の州治の所在地。 倅:副の。伯子はこの時、道州の通判の任を得た。

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