2023年2月7日火曜日

白石詩034寄上張参政

寄上張参政

1姑蘇台下梅花樹、
2応為調羮故早開。
3燕寝休誇香霧重、
4鴛行却望袞衣来。
5前時甲第仍垂柳、
6今度沙隄已種槐。
7応念無枝夜飛鵲、
8月寒風勁羽毛摧。

 

張参政に寄上(さしあげ)る

 

1姑蘇台の下、梅花の樹、

2応(まさ)に羮(あつもの)を調(ととのえ)る為(ため)に、故(わざ)と早く開(さ)いた。

3燕寝(しんしつ)で香霧(かおり)の重(こ)さを誇るのは休(や)めよ、

4鴛行(ちょうてい)では却(むし)ろ袞衣(さいしょう)の来るのを望(ま)っている。

5前時(まえ)の甲第(おやしき)では仍(いま)も柳が垂れ、

6今度の沙隄(みち)では已(すで)に槐(えんじゅ)が種(うえ)られた。

7応(きっ)と念(おも)っているだろう、枝が無くて夜に飛んでいる鵲が、

8月が寒(つめた)く風が勁(つよ)いなか、羽毛(はね)を摧(くじ)いてしまっていることを。


嘉泰三年(1203)、四十九歳の作? 0張参政:張巌、字は肖翁。乾道五年(1169)の進士。『宋史』巻三九六に伝がある。 1姑蘇台:。姑蘇山の上にある。呉王夫差が築いたと伝えられる。 2調羮:梅の実の酸味で羹の味を調える。『書経』「説命下」に「若作和羹、爾惟塩梅」とあり、後に国家の政事を整える比喩となった。 3燕寝:古代の帝王が休んだ部屋。 4鴛行:朝廷の高官の列の喩え。 袞衣:帝王や貴族が着た礼服。 5甲第:豪門貴族の邸宅。 6沙隄:唐代、宰相に任命された人を官衙に迎える際に、路に砂を敷いた。唐・李肇『唐国史補』巻下に「凡拜相、礼絶班行、府県載沙填路。自私第至于子城東街、名曰沙堤」とある。 槐:えんじゅ。唐代に三本の槐を植えて宮廷高官である三公(太師・太傅、太保)の座位を示した。

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