1銀鉤鉄画太師字、
2従人乞米亦可憐。
3五倉空虚胃神哭、
4竟日悄悄無炊烟。
5仙人留書説服気、
6道士辟穀期引年。
7人生不食浪自苦、
8独不見子桑鼓琴十日雨。
「乞米帖」の後に書いた
1銀鉤で鉄画い、太師の字よ、
2人から米を乞うのは亦た可憐なことよ。
3五倉は空虚っぽ、胃の神は哭き、
4竟日悄悄として、炊の烟は無い。
5仙人は書を留して気を服することを説き、
6道士は穀を辟けて年を引ばすことを期する。
7人は生れても不食いで、浪に自ら苦しむ、
8独不見う、子桑が琴を鼓た十日の雨を。
制作年、未詳。 0乞米帖:唐の顔真卿が李太保に米を借りた時の書簡。全文は「拙於生事、挙家食粥、来已数月。今又罄竭、只益憂煎、輒恃深情。故令投告、恵及少米、実済艱辛。仍恕干煩也。真卿状。」欧陽脩『集古録』に「此本墨跡在余亡友王子野家。子野生於相家而清苦甚寒士、嘗模帖刻石遺於朋友」とあり、米芾『宝章待訪録』に「(乞米帖)真帖楮紙在朝請郎蘇処、度支郎中舜元子也。得於関中安氏、士人多有臨拓本。此巻古玉軸、縫有『舜元』字印、范仲淹而下題跋」とあり、北宋の時代には臨拓本が伝わっていた。 1銀鉤鉄画:唐・欧詢「用筆論」に「徘徊俯仰、容与風流、剛則鉄画、媚若銀鉤」とある。 太師:顔真卿は晩年に太子太師になった。 3五倉:五臓神。『漢書』「郊祀志下」に「及言世有仙人……化色五倉之術者、皆姦人惑衆、挟左道、懐詐偽、以欺罔世主」とあり、顔師古注に李奇を引いて「思身中有五色、腹中有五倉神。五色存則不死、五倉存則不飢」という。 5服気:呼吸法。道家の養生延年の術。 6辟穀:五穀を食べない道教の修練法。 8子桑鼓琴十日雨:『荘子』「大宗師」に「子輿与子桑友、而霖雨十日。子輿曰、子桑殆病矣。裹飯而往食之。至子桑之門、則若歌若哭、鼓琴曰、父邪、母邪、天乎、人乎。有不任其声而趨挙其詩焉」とある。
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