丙辰臘、与兪商卿・銛朴翁同寓新安渓荘舎、得臘花韻甚、賦二首。
1花裏春風未覚時、美人呵蕊綴横枝、鬲簾飛過蜜蜂児。
2書寄嶺頭封不到、影浮盃面悞人吹、寂寥惟有夜寒知。
又
1剪剪寒花小更垂、阿瓊愁裏弄妝遅、東風焼燭夜深帰。
2落蕊半黏釵上燕、露横斜映鬢辺犀、老夫無味已多時。
丙辰の臘、兪商卿・銛朴翁と同に新安の渓荘舎に寓て、韻が甚だよい臘花を得て、二首を賦った。
1花の裏の春風に未覚い時、美人は蕊を呵めて横枝に綴り、簾を鬲て飛び過る蜜蜂の児。
2書を嶺頭から寄せるが封不到い、影を盃の面に浮べ、人を悞て吹かせた、寂寥しい、惟だ夜の寒さが有ることだけを知る。
又
1剪剪と寒々しい花が小さく更に垂れ、阿瓊は愁いの裏で妝を弄るのも遅い、東風にふかれながら燭を焼して夜が深てから帰る。
2蕊を落とし半ば黏りつく、釵の上の燕のかざりに、露が横いて(蝋梅の影を)斜めに映す、鬢の辺の犀(のかんざし)に、老夫は無味い、已に多い時。
慶元二年(1196)、四十二歳の作。 0臘:臘月。旧暦十二月の異称。 兪商卿:兪灝、字は商卿。 銛朴翁:葛天民、もと名を義銛といった。字は朴翁。 渓荘舎:張平甫の荘園。張鎡『南湖集』に「題平甫弟梁渓荘園」詩がある。 臘花:蝋梅。唐梅(カラウメ)。北宋の黄庭堅が詩に詠んでから、流行った。香りがよい。 1呵:息を吹きかけて暖める。 横枝:梅の一首。 2書寄嶺頭:江南にいた陸凱が、北方の隴頭(長安に近い)にいる范曄に、梅の花の枝を贈った故事。ここの「嶺頭」は大庾嶺で、広東と江西の堺にあり、唐代に張九齢が新しく路を開き、梅をたくさん植えたので、梅嶺と呼ばれる。 悞人吹:酒杯に映った花の影を、花びらと間違えて吹いた、の意。 又1剪剪:集まっているさま。 阿瓊:美女をいう。 又2犀:犀の角で作った簪。
0 件のコメント:
コメントを投稿