丙辰冬、自無錫帰、作此寓意。
1好花不与殢香人、浪𥻘𥻘。
2又恐春風帰去緑成隂、玉鈿何処尋。
3木蘭双槳夢中雲、水横陳。
4謾向孤山山下覔盈盈、翠禽啼一春。
丙辰の冬、無錫から帰り、此を作って意を寓る。
1好花は香りに殢る人を不与い、浪は𥻘𥻘して。
2又た恐れる、春風が帰去って緑が陰を成したら、玉鈿は何処で尋そうか、と。
3木蘭の双つの槳、夢の中の雲、水は横陳る。
4謾に孤山の山下で盈盈を覔せば、翠禽が一春に啼いた。
慶元二年(1196)、四十二歳の作。 1殢香人:花の香りに陶酔する人。 2「又恐春風」句:杜牧「歎花」に「自恨尋芳到已遅、往年曾見未開時。如今風擺花狼藉、緑葉成蔭子満枝」とある。 3横陳:横に寝る。宋玉「諷賦」に「内怵惕兮徂玉床、横自陳兮君之旁」とある。 4孤山:杭州西湖の孤山。梅の樹がたくさん植えられていた。 盈盈:たおやかな姿。ここは美人で梅を喩える。 翠禽:カワセミ。童子に化した伝説が『龍城録』に見える。白石047「疏影」の注、参照。
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