石湖家自製此声、未有語実之、命予作。石湖宅南、鬲河有圃曰范村、梅開雪落、竹院深静、而石湖畏寒不出、故戯及之。
1疏疏雪片。
2散入溪南苑。
3春寒鎖・旧家亭館。
4有玉梅幾樹、背立怨東風、高花未吐、暗香已遠。
5公来領略、梅花能勧。
6花長好・願公更健。
7便揉春為酒、剪雪作新詩、拚一日・繞花千転。
石湖の家で此の声を自製ったが、之に実る語が未有かったので、予に命じて作らせた。石湖の宅の南に、河を鬲て圃が有り范村と曰い、梅が開き雪が落り、竹院は深く静かで、而に石湖は寒さを畏れて不出い、故に戯れて之に及んだ。
1疏疏と雪の片。
2散って溪の南の苑に入る。
3春は寒く鎖す、旧家の亭館。
4幾樹の玉梅が有り、背をむけて立ち東風を怨む、高いえだの花は未吐いのに、暗な香りは已に遠くへ。
5公が来て領略えば、梅の花も(もっと咲くように)勧めることが出来るだろう。
6花は長も好しい、公が更に健かであれと願っている。
7便で春を揉んで酒を為り、雪を剪って新詩を作り、一日を拚て花を千転も繞ろう。
紹熙二年(1191)、三十七歳の作。 0石湖:范成大。淳熙九年(1182)、五十七歳の時に病のため故郷の石湖に隠棲し、白石とも交流を持った。 范村:范成大『梅譜』自序に「余於石湖玉雪坡既有梅数百本、比年又於舎南買王氏僦舎七十楹、尽拆除之、治為范村。以其地三分之一与梅」とある。 4暗香:梅のほのかな香り。 5領略:「領客」とするテキストもある。 7揉春為酒:春の景色を醸して美酒にする、の意。 拚:捨てる。惜しまない。
0 件のコメント:
コメントを投稿