2023年2月1日水曜日

白石詩015昔遊詩⑮


昔遊詩

其十五

1衡山為真宮、
2道士飲我酒。
3共坐有何人、
4山中白衣叟。
5問叟家何在、
6近住山洞口。
7殷勤起見邀、
8徐歩入林藪。
9雲深険径黒、
10石乱湍水吼。
11尋源行漸遠、
12茅屋剪如帚。
13老烹茶味苦、
14野琢琴形醜。
15叟云司馬遷、
16学道此居久。
17屋東大磐石、
18棋画今尚有。
19古木庇覆之、
20清泉石根走。
21因悲百年内、
22汲汲成白首。
23仙人固難値、
24隠者亦可偶。
25追惟恍如夢、
26欲画無好手。

其十五

 

1衡山は真(人)の宮で()って、

2道士が(わたし)に酒を飲ませてくれる。

3共に坐るのは何人(だれ)で有ろう、

4山中の白衣の(おきな)だ。

(おきな)に家は何在(どちら)かと問うと、

6近くの山洞(ほらあな)の口に住んでいる、という。

7殷勤に()って(むか)られ()

(ゆっくり)と歩いて林藪(はやし)に入る。

9雲は深く険しい(みち)(くら)い、

10石は乱(立)し、湍水(はやせ)が吼えるよう。

11源を尋ねて行くと(しだい)に遠くなり、

12茅屋(かやぶきやね)(ほうき)の如に剪ってある。

13老烹(ふるいちゃば)だったので茶の味は苦く、

14(あら)(きざ)んだ琴の形は醜い。

15(おきな)が云う、司馬遷は、

16道を学んで(なが)(ここ)に居た、と。

17(いえ)の東の大きな磐石(いわ)は、

18棋画(ごばん)が今も()お有る。

19古木が(これ)庇覆(おお)い、

20清泉(いずみ)が石の(もと)(なが)れている。

21(そこ)で悲しむ、百年の内に、

22汲汲として白首(しらがあたま)に成ることを。

23仙人は(もとよ)()い難い、

24隠者も()可偶(あえ)るだろうか(いや会えない)。

25追惟(おもいおこ)すと(ぼんやり)して夢の(よう)

26(えが)こう()としても好手(たっしゃなひと)(いな)い。


10湍水:早瀬。

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