2023年2月2日木曜日

白石詩002赤松図

赤松図

1山東隆凖公、
2未語心已解。
3按剣堂下人、
4成事汝応退。
5非無帯礪約、
6政爾有恩害。
7平生三寸舌、
8松間漱寒瀨。

赤松図

 

1山東の隆凖公は、

未語(かたらな)いでも心は已に(わか)っている。

3剣を(おさ)えていう、堂下の人よ、

4事が成って、汝は(まさ)に退くのだろう。

帯礪(えいえん)(ちかい)が無いわけではない()が、

政爾(まさ)に恩あれば害されることも有る。

平生の三寸の舌を

8松の間にて、(つめ)たい(せせらぎ)(すす)ぐのだ。


嘉定元年(1208)、五十四歳の作か? 0赤松:仙人の赤松子。浙江省金華山で昇仙し、金華山は赤松山とも呼ばれる。『史記』「留侯世家」に「願棄人間事、欲従赤松子遊耳」とあり、劉邦の覇業を助けた張良(留侯)の故事がある。この詩は赤松山の画を見て張良になぞらえ、張鎡(字は功甫)が貫侘冑を謀殺しようとして史彌遠に忌まれ、貶されたことを詠んだ、という説がある。 1隆凖公:劉邦の別称。「隆凖」は高い鼻。『史記』「高祖本紀」に「高祖為人、隆准而龍顔」とあり、注に「準は鼻なり」という。 5帯礪:「帯礪」は衣帯と砥石。『史記』「高祖功臣侯者年表」に「封爵之誓曰、使黄河如帯、泰山若礪。国以永寧、爰及苗裔」とあり、たとえ黄河が帯のように細くなり泰山が砥石のように平らになっても変わらない、堅い誓約。国が永遠に栄え安泰であること。 6政爾:まさに。 7三寸舌:『史記』「留侯世家」に「今以三寸舌、為帝者師、封万戸、位列侯、此布衣之極、於良足矣」とある。

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