鷓鴣天
己酉之秋、苕溪記所見。
1京洛風流絶代人、因何風絮落溪津。
2籠鞋淺出鴉頭韈、知是凌波縹緲身。
3紅乍笑、緑長嚬、与誰同度可憐春。
4鴛鴦独宿何曾慣、化作西楼一縷雲。
己酉の秋、苕溪で見た所を記す。
1京洛の風流な絶代い人、因何に風絮は溪津に落ちるのだろう。
2籠鞋から淺と出ている鴉頭韈、凌波を身に縹緲う(美女)と知是る。
3紅は乍と笑い、緑は長も嚬めて、誰と同に可憐な春を度すのか。
4鴛鴦は独りで宿るのに何曾て慣れるだろう、化して西楼の一縷の雲に作ろうか。
淳熙十六年(1189)、三十五歳の作。 1京洛:洛陽のこと。ここは臨安を指す。 2籠鞋:指が外に出る、サンダルような靴。 鴉頭韈:親指とほかの4本の指に分かれている靴下。 凌波:女性が軽やかに歩くすがた。曹植「洛神賦」に「凌波微歩、羅袜生塵」とあり、呂向 の注に「步於水波之上、如塵生也」とある。 4「化作」句:宋玉「高唐賦」に「妾在巫山之陽、高丘之阻、旦為朝雲、暮為行雨、朝朝暮暮、陽台之下」とあるのを踏まえる。
0 件のコメント:
コメントを投稿