2023年2月25日土曜日

白石歌011点絳唇②

点絳唇

1金谷人帰、綠楊低掃吹笙道。
2数声啼鳥、也学相思調。

3月落潮生、掇送劉郎老。
4淮南好、甚時重到、陌上生春草。

金谷人(あのひと)は帰る、綠楊(やなぎ)は低く(はら)う、笙を吹いた道を。

2数声の啼く鳥、()相思(こい)の調べを(まね)る。

 

3月は落ち潮が生じ、劉(さん)が老いるのを掇送(うなが)

4淮南は(すばら)い、甚時(いつ)(ふたた)び到るだろう、陌上(みち)には春の草が生えている。


紹熙二年(1191)、三十七歳の作。 1金谷:河南洛陽西北。晋の石崇がここに金谷園を建てた。石崇には緑珠という名妓がいて、寵愛していたが、石崇が勢力を失うと孫秀が緑珠を力尽くで奪おうとし、緑珠は楼から飛び降りて自害した。のちに金谷人で名妓をいう。 3掇送:催促する。 劉郎:劉晨と阮肇が天台山で薬を採っている時に、道に迷い、二人の仙女に遭った。招かれて半年ほど過ごした後に家に戻ると、七代も経っていて、再び天台山を尋ねたが仙女は跡形も見つからなかった故事。劉義慶『幽明録』に見える。ここの劉郎は、作者をいう。 4淮南:淮水以南、合肥一帯をいう。

0 件のコメント:

コメントを投稿