2023年2月27日月曜日

白石歌007鶯声繞紅楼

鶯声繞紅楼

甲寅春、平甫与予自越来呉、携家妓観梅于孤山之西村、命国工吹笛、妓皆以柳黄為衣。

1十畝梅花作雪飛、冷香下・携手多時。
2両年不到断橋西、長笛為予吹。

3人妬垂楊緑、春風為染作仙衣。
4垂楊却又妬腰肢、近〈平声〉前舞糸糸。

 

甲寅の春、平甫は(わたし)と越から()呉に来て、家妓を(つれ)て孤山()西村()梅を観にいき、国工(がくし)に命じて笛を吹かせ、妓は皆な柳黄(もえぎいろ)()()た。

 

1十畝の梅の花が雪と()って飛ぶ、冷たい香りの下、多く手を携える時。

両年(にねん)ほど不到(こな)かった断橋の西、長笛を(わたし)の為に吹く。

 

3人は垂楊(やなぎ)の緑を妬む、春風が(柳の)為に染めて仙衣を作るから。

4垂楊は却って又た(舞姫たちの)腰肢(こしつき)を妬み、前に近づいて糸糸(えだ)を舞わせる。


紹熙五年(1194)、四十歳の作。 0平甫:張鑑、字は平甫、張俊の孫、張鎡(字は功父)の異母兄弟。張俊は南宋の将軍で、荘園が無錫にあった。白石は張鑑と長く交流があった。周密『斉東野語』巻十二に「姜堯章自序」を載せ、その中に「旧所依倚、惟有張兄平甫、其人甚賢。十年相処、情甚骨肉。而某亦竭誠尽力、憂楽同念」とある。 自越来呉:紹興から杭州へ来たこと。杭州に呉山があり、春秋時代には呉国の南堺だった。 孤山:杭州西湖の内湖と外湖の間にある山。 西村:周密『武林旧事』巻五に「西陵橋又名西林橋、又名西冷橋、又名西村」とある。 国工:宮廷の楽士。 2断橋:孤山の西にあり、西湖の名勝の一つ。雪が降ると橋が途中で断たれているように見える。 3仙衣:詞序にある楽伎の舞衣。

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