其三
1垂楊大別寺、
2春草郎官湖。
3家巷有石友、
4合并不待呼。
5瘦藤倚花樹、
6花片藉玉壺。
7老鄭談絶妙、
8辛楊句敷腴。
9平生子姚子、
10貌古心甚儒。
11時邀野僧語、
12間与琴工俱。
13酒闌興未了、
14左転城南隅。
15大江囲楚碧、
16烟水入元虚。
17留落不自恨、
18惟嗟故人疏。
19一月三見夢、
20夢中相与娯。
21日日潮風起、
22悵望武昌魚。
1大別寺:陸游『入蜀記』巻三に「漢陽負山帯江、其南小山有僧寺者、大別山也」とある。 2郎官湖:白石「清波引」詞序に「予久客古沔、滄浪之烟雨、鸚鵡之草樹、頭陀黄鶴之偉観、郎官大別之幽処、無一日不在心目間」とある。 3石友:情誼の厚い金石のごとき友。晋・潘岳「金谷集作詩に」「投分寄石友、白首同所帰」とある。 5瘦藤:枯れた藤のツル。杖にして山歩きに使った。 7老鄭:鄭仁挙、字は次皐。 8辛楊:辛泌(字は克清)と楊大昌(字は正之)。 敷腴:喜ぶさま。楊万里「千巌摘藁序」に「余嘗論近世之詩人、若范石湖之清新、尤梁渓之平淡、陸放翁之敷腴、蕭千巌之工致、皆余之所畏怖者」とある。 9子姚子:姚剛中。白石「探春慢」詞序に「予自孩幼従先人宦於古沔、女須因嫁焉。中去復来幾二十年、豈惟姊弟之愛。沔之父老児女子亦莫不予愛也。丙午冬、千巖老人約予過苕霅、歳晚乗濤載雪而下、顧念依依、殆不能去。作此曲別鄭次臯・辛克清・姚剛中諸君」とある。 12琴工:琴師。 13闌:たけなわ。絶頂で、そのあと衰退に向かう。 16元虚:「玄虚」、道家のいう「玄妙虚無」の道理。 22武昌:鄂州武昌県。唐・岑参「送費子帰武昌」詩に「秋来倍憶武昌魚、夢著只在巴陵道」とある。
4合并不待呼。
5瘦藤倚花樹、
6花片藉玉壺。
7老鄭談絶妙、
8辛楊句敷腴。
9平生子姚子、
10貌古心甚儒。
11時邀野僧語、
12間与琴工俱。
13酒闌興未了、
14左転城南隅。
15大江囲楚碧、
16烟水入元虚。
17留落不自恨、
18惟嗟故人疏。
19一月三見夢、
20夢中相与娯。
21日日潮風起、
22悵望武昌魚。
其三
1垂楊の大別寺、
2春草の郎官湖。
3家巷には石友が有て、
4合并るのに呼ぶのを不待い。
5瘦藤ついて花さく樹に倚れると、
6花片が玉壺に藉る。
7老鄭は絶妙に談じ、
8辛と楊は、句が敷腴か。
9平生、子姚子は、
10貌は古で、心は甚だ儒であった。
11時に野僧を邀えて語り、
12間に琴工と俱にした。
13酒が闌になっても興は未了い、
14城の南の隅に左転する。
15大江は楚の碧を囲み、
16烟った水は元虚に入る。
17留落ても自ら恨むことはせず、
18惟だ故人と疏なことを嗟く。
19一月に三たび夢を見て、
20夢の中で相与に娯しむ。
21日日、潮風が起つと、
22武昌の魚を悵しく望めて。
1大別寺:陸游『入蜀記』巻三に「漢陽負山帯江、其南小山有僧寺者、大別山也」とある。 2郎官湖:白石「清波引」詞序に「予久客古沔、滄浪之烟雨、鸚鵡之草樹、頭陀黄鶴之偉観、郎官大別之幽処、無一日不在心目間」とある。 3石友:情誼の厚い金石のごとき友。晋・潘岳「金谷集作詩に」「投分寄石友、白首同所帰」とある。 5瘦藤:枯れた藤のツル。杖にして山歩きに使った。 7老鄭:鄭仁挙、字は次皐。 8辛楊:辛泌(字は克清)と楊大昌(字は正之)。 敷腴:喜ぶさま。楊万里「千巌摘藁序」に「余嘗論近世之詩人、若范石湖之清新、尤梁渓之平淡、陸放翁之敷腴、蕭千巌之工致、皆余之所畏怖者」とある。 9子姚子:姚剛中。白石「探春慢」詞序に「予自孩幼従先人宦於古沔、女須因嫁焉。中去復来幾二十年、豈惟姊弟之愛。沔之父老児女子亦莫不予愛也。丙午冬、千巖老人約予過苕霅、歳晚乗濤載雪而下、顧念依依、殆不能去。作此曲別鄭次臯・辛克清・姚剛中諸君」とある。 12琴工:琴師。 13闌:たけなわ。絶頂で、そのあと衰退に向かう。 16元虚:「玄虚」、道家のいう「玄妙虚無」の道理。 22武昌:鄂州武昌県。唐・岑参「送費子帰武昌」詩に「秋来倍憶武昌魚、夢著只在巴陵道」とある。
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