春日書懐
其一
1九真何蒼蒼、
2乃在清漢尾。
3衡茅依草木、
4念遠独伯姊。
5春来衆芳滋、
6春去衆芳萎。
7兄弟各天涯、
8啼鴂見料理。
9漢江出巨魚、
10風雷入駆使。
11安得挾我輈、
12西征二千里。
春の日に懐いを書く
其一
1九真(山)は何と蒼蒼していることか、
2乃は清らかな漢(江)の尾に在る。
3(故郷の)衡茅は草木に依りかかるさま、
4遠く独りでいる伯姊を念う。
5春が来れば衆芳が滋り、
6春が去れば衆芳は萎る。
7兄弟が各々天涯にいて、
8啼鴂に料理られる。
9漢江に巨魚が出ると、
10風雷が入て駆使する。
11安得いだろう、我の輈を挾ち、
12西へ二千里を征くことが。
淳熙十四年(1187)、三十三歳の作か。 1九真:九真山。湖北省武漢市の五蔵山。九人の仙女がここの炉で煉丹したという伝説がある。八六七年に仙潜山と改名し、さらに後に九真山と改名した。宋代には山頂に廟が建てられ、九真観(九真山廟)と呼ばれた。 3衡茅:そまつな家。 4伯姊:姉。『詩経』邶風「泉水」に「問我諸姑、遂及伯姊」、高亨注に「伯姊、大姐」とある。白石は父を亡くした後、嫁いだ姉に養われた。 8啼鴂:「鵜鴂」、ホトトギス。李清照「好事近」詞に「魂夢不堪幽怨、更一声啼鴂」とある。 料理:気を晴らす。韓愈「飲城南道辺古墓上逢中丞過贈礼部衛員外少室張道士」詩に「為逢桃樹相料理、不覚中丞喝道来」とある。 10風雷:風伯と雷公。杜甫「朝献太清宮賦」に「風伯扶道、雷公挟輈」とある。 11輈:車のながえ。
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