2023年1月28日土曜日

白石詩015昔遊詩③

昔遊詩

其三

1九山如馬首、
2一一奔洞庭。
3小舟過其下、
4幸哉波浪平。
5大風忽怒起、
6我舟如葉軽。
7或升千丈坡、
8或落千丈坑。
9回望九馬山、
10政与大浪争。
11如飛鵞車礟、
12乱打睢陽城。
13又如白獅子、
14山下跳鬇鬡。
15須臾入別浦、
16万死得一生。
17始知茵席湿、
18尽覆杯中羮。〈鬇鬡一作猙獰〉

 

 

1九つの山は馬の首の(よう)

2一つ一つ洞庭に(はし)っている。

3小舟は其の下を過ぎ、

4幸いだなあ()波浪(なみ)()いでいる。

5大風が(ふっ)怒起(わきおこ)り、

(わたし)の舟は葉の(よう)に軽い。

(あるとき)は千丈の(がけ)(のぼ)り、

(あるとき)は千丈の(あな)に落ちる。

(ふるかえ)って九馬山を望めば、

10(まさ)に大浪()争っている。

11(まる)で鵞車の(いしゆみ)飛ばし

12睢陽城を乱れ打つよう。

13()(まる)で白獅子が、

14山の(ふもと)鬇鬡(ふりみだ)れて(とびかか)るよう。

15須臾(すぐ)(ほか)(いりえ)に入り、

16万死に一生を得た。

17始めて(わか)った、茵席(しきもの)湿(ぬれ)

18杯の中の(あつもの)(ことごと)(ひっくりかえ)っている、と鬇鬡は一に猙獰に作る〉


1九山:洞庭湖の東岸にある九山觜山。 11鵞車:城を攻めるために用いる戦車。 礟:石弓。 12睢陽城:安禄山の反乱軍に抗った張巡らがたてこもった城。 14鬇鬡:毛髪の乱れるさま。

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