其二
1放舟龍陽県、
2洞庭包五河。〈澧沅澬湘大江〉
3洶洶不得道、
4茫茫将奈何。
5篙師請小泊、
6石矴沈泥沙。
7是中大無岸、
8強指葦与莎。
9滞留三四晨、
10大浪山嵯峩。
11同舟総下涙、
12自謂餧黿鼉。
13白水日以長、
14僅存青草芽。
15転眄又已沒、
16但見千頃波。
17此時羡白鳥、
18飛入青山阿。
其二
1舟を龍陽県に放した、
2洞庭は五河に包まれている。〈澧・沅・澬・湘・大江〉
3(波は)洶洶として不得道く、
4(湖は)茫茫として将奈何い。
5篙師が小く泊りたいといい、
6石の矴を泥沙に沈めた。
7是中には大く岸が無く、
8強に葦と莎を指した。
9滞留ること三、四晨、
10大浪は山の嵯峩きがごとく。
11同舟するものは総な涙を下し、
12自ら謂う、黿や鼉に餧われる、と。
13白水は日を以って長え、
14僅に青草の芽が存った。
15転眄に又た已に沒して、
16但だ千頃と波だけが見える。
17此の時は羡しかった、白鳥が、
18飛んで青山の阿に入ってゆくのが。
1龍陽県:今の湖南省漢寿県。 5篙師:熟練の船頭。杜甫「水会渡」詩に「篙師暗理楫、歌笑軽波瀾」とある。 10嵯峩:山のそびえるさま。 12餧:動物や人に食べ物を与えること。 黿鼉:スッポンやワニ。 15転眄:またたく間に。「転眼」に同じ。
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