〈此詩録寄誠斎得報云所寄十詩有裁雲縫霧之妙思敲金戞玉之竒声〉
其一
1細草穿沙雪半銷、
2呉宮烟冷水迢迢。
3梅花竹裏無人見、
4一夜吹香過石橋。
除夜、石湖から苕渓に帰る
〈此の詩は録て誠斎に寄せて報を得た、云く、寄せられた十詩には裁雲縫霧の妙思、敲金戞玉の竒声が有る、と〉
1細い草が沙から穿びて雪は半ば銷え、
2呉の宮には烟が冷たく、水は迢迢か。
3梅花は竹の裏、見る人は無い、
4一夜、吹き香らせる、石橋を過ぎて。
紹熙二年(1191)、三十七歳の作。 0石湖:蘇州市西南、太湖に通じる景勝地。范蠡がここから五湖に入った、という。范成大が晩年に居した。 苕渓:湖州にある川。 敲金戞玉:鐘を敲き磬を打つ。詩文の響きが堂堂としている喩え。 1呉宮:春秋時代の呉王の宮殿。
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