1野人復何知、
2自謂山沢好。
3来禆奉常議、
4識笳鼓羽葆。
5誰憐老垂垂、
6却入閙浩浩。
7営巣猶是寓、
8学圃何不早。
9淮桂手所植、
10漢甕躬自抱。
11花開不忍出、
12花落不忍掃。
13佳客夜深来、
14清尊月中倒。
15一禅両居士、
16更約践幽討。
転庵の丹桂の韻に和す
1野人は復た何を知るでしょう、
2自ら山沢は好しいと謂うだけ。
3奉常の議を来禆いと、
4笳鼓・羽葆を識た。
5誰が憐れむだろう、老垂垂て、
6却って閙浩浩(した議論)に入わろう、とは。
7巣を営んでも猶り是も寓、
8圃を学ぶのに何て不早いことがあろう。
9淮桂は手ら所植え、
10漢甕は躬自ら抱える。
11花が開けば出るに不忍い、
12花が落れば掃くに不忍い。
13佳しい客が夜深けて来れば、
14清尊を月の中で倒ける。
15一の禅と両の居士、
16更に約して幽討に践ましょう。
慶元三年(1197)、四十三歳の作。 0転庵:潘檉、字は徳久、号は転庵。 丹桂:桂の一種。葉はコノテガシワに似て、樹皮は赤い。月には桂樹が生えているといい、「丹桂」は月の別称でもある。 3奉常:宗廟の儀礼を司る。 4笳鼓:胡笳と胡鼓。「笳」は葦の葉で製った笛。もとは北方の胡楽だが、晋以降、天子の鹵簿(行列)で用いた。 羽葆:鳥の羽で飾った鼓。 8学圃:野菜作りを学ぶこと。 9淮桂:淮南の桂樹(キンモクセイ)。『楚辞』「招隠士」に「桂樹叢生兮山之幽」とある。また劉禹錫「楊柳枝」九首(其一)に「塞北梅花羌笛吹、淮南桂樹小山詞」とある。 10漢甕:漢水のはいった甕。『荘子』「天地篇」に「子貢南遊於楚、反於晋、過漢陰、見一丈人、方将為圃畦、鑿隧而入井、抱甕而出灌」とある。 躬自:自ら。 15一禅両居士:「一禅」は葛天民、「二居士」は白石と徳久を指すか。 16幽討:幽景をたずねる。奥深くたずねる。
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