2022年10月11日火曜日

282念奴嬌(李清照)

念奴嬌  李清照

1蕭条庭院、又斜風細雨、重門須閉。
2寵柳嬌花寒食近、種種悩人天気。
3険韻詩成、扶頭酒醒、別是閑滋味。
4征鴻過尽、万千心事難寄。

5楼上幾日春寒、簾垂四面、玉欄杆慵倚。
6被冷香消新夢覚、不許愁人不起。
7清露晨流、新桐初引、多少遊春意。
8日高煙斂、更看今日晴未。

1寂しい庭、また斜めに吹く風と細かに降る雨、重なる門を閉ざさなくてはいけない。
2愛おしい柳とたおやかな花も寒食が近づいて、いろいろと悩ましい天気。
3難しい韻で詩が出来た、酔っぱらった酒が醒める、別のむなしい味わい。
4北へ向かう雁がすっかり渡って、あふれる思いを寄せ難い。

5楼上で幾日も春は寒く、簾を四面に垂らし、美しい欄杆に物憂くもたれる。
6冷やかな香りに夢を破られて目覚めた、愁う私が起きないのを許してくれない。
7露が朝に流れて、新芽のアオギリに初めてたまり、とても春遊びに行きたい気分。
8日が高くなり靄がおさまり、また見る、今日は晴れたかどうか。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3険韻:詩詞を作る際に、ふつうあまり使われない韻や難しい韻を用いること。 扶頭:頭を持ち上げられずに支える必要があること。酔ったあとの状態をいう。 7「清露」二句: 『世説新語』「誉誉」に、「(王)恭がかつて五石散を服用して京口の射的場まで行くと、『清露晨流、新桐初引(朝の清らかな露が、アオギリの新芽できらめいていた)』」とある。「引」は生長すること。

1蕭条(さび)しい庭院(にわ)、又(ま)た斜めの風と細かな雨、重なる門を閉(とざ)さなくては須(いけな)い。

2寵(いとお)しい柳と嬌(たお)やかな花も寒食が近づいて、種種(いろいろ)と悩人(なやま)しい天気。

3険(むずか)しい韻で詩が成(でき)た、扶頭(よっぱら)った酒が醒める、別是(べつ)の閑(むな)しい滋味(あじわい)。

4征(きたへむか)う鴻(かり)が尽(すっか)り過(わた)って、万千(あふれ)る心事(おもい)を寄せ難い。

 

5楼上で幾日も春は寒く、簾を四面に垂らし、玉(うつく)しい欄杆に慵(ものう)く倚(もた)れる。

6冷やかな香に新夢(ゆめ)を消(やぶ)られ(被)て覚(めざ)めた、愁人(わたし)が不起(おきな)いのを不許(ゆるさな)い。

7清露(つゆ)が晨(あさ)に流れて、新(しんめ)の桐(あおぎり)に初めて引(たま)り、多少(とて)も遊春(はるあそび)の意(きもち)。

8日が高くなり煙(もや)が斂(おさ)まり、更に看(み)る、今日は晴れたか未(どう)か。


niàn nú jiāo

1 xiāo tiáo tíng yuàn,yòu xié fēng xì yǔ,zhòng mén xū bì.
2 chǒng liǔ jiāo huā hán shí jìn,zhǒng zhǒng nǎo rén tiān qì.
3 xiǎn yùn shī chéng,fú tóu jiǔ xǐng,bié shì xián zī wèi.
4 zhēng hóng guò jìn,wàn qiān xīn shì nán jì.

5 lóu shàng jǐ rì chūn hán,lián chuí sì miàn,yù lán gān yōng yǐ.
6 bèi lěng xiāng xiāo xīn mèng jué,bù xǔ chóu rén bù qǐ.
7 qīng lù chén liú,xīn tóng chū yǐn,duō shǎo yóu chūn yì.
8 rì gāo yān liǎn,gèng kàn jīn rì qíng wèi.

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