2022年10月11日火曜日

274法曲献仙音(王沂孫)

法曲献仙音  王沂孫

聚景亭梅、次草窓韻

1層緑峨峨、繊瓊皎皎、倒圧波痕清浅。
2過眼年華、動人幽意、相逢幾番春換。
3記喚酒尋芳処、盈盈褪妝晚。

4已消黯。
5況淒涼・近来離思、応忘却・明月夜深帰輦。
6荏苒一枝春、恨東風・人似天遠。
7縦有残花、灑征衣・鉛涙都満。
8但殷勤折取、自遣一襟幽怨。

聚景亭の梅。草窓に次韻する。

1幾重も緑の梅がそびえ、玉のように白梅が輝き、小さな波あとに映り込んでいる。
2あっという間に月日は過ぎ、人の気持ちを動かす、会ってからいくたび春が代わっただろう。
3思い出す、酒を求め花を訪ねたとき、ぐずぐずと色あせるのも遅くて。

4いまはすでにひっそりとしている。
5ましてわびしい、近頃の別れの思い、きっと忘れてしまっただろう、明月の夜、遅く車で帰ったこと。
6柔らかい一枝の春、春風を恨む、人は天と同じ遠い。
7たとえ残った花があったとしても、旅の衣を潤し、涙にすべて満ちている。
8ただ念入りに折り取って、独り胸中の恨みを送ろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0聚景亭:杭州の聚景園にある亭。草窓詞では、題に「雪香亭」とあり、同じものかどうか未詳。園は南宋の孝宗の時代に建てられ、四代の皇帝が訪れた。跡地は清波門外にあり、今の柳浪聞鶯公園一帯。周密の原詞は「松雪飄寒、峰雲吹東、紅破数枝春浅。襯舞台荒、浣妝池冷、凄凉市朝軽換。欲花与人凋謝、依依歳華晚。  共凄黯。問東風・幾番吹夢、応慣識・当年翠屏金輦。一片古今愁、但廃翠・平煙空遠。無語消魂、対斜陽・衰草涙満。又西泠残笛、低送数声春怨。」 1層緑:緑の梅をいう。 繊瓊:白梅をいう。

聚景亭の梅。草窓の韻に次する。

 

(いくえ)も緑が峨峨(そび)え、繊瓊(たま)皎皎(かがや)き、清浅(ちい)さな波痕に倒圧(うつりこ)む。

過眼(あっというま)年華(つきひ)、人の幽意(きもち)を動かす、相逢()ってから幾番(いくたび)春が換っただろう。

(おもいだ)す、酒を(もと)(はな)を尋ねた(とき)盈盈(ぐずぐず)褪妝(いろあせ)るのも(おそ)くて

 

(すで)消黯(ひっそり)と。

(まし)淒涼(わび)しい、近来(ちかごろ)(わか)れの思い、(きっ)忘却(わすれてしま)っただろう、明月の夜(おそ)(くるま)で帰った。

荏苒(やわらか)い一枝の春、東風(はるかぜ)を恨む、人は天と(おな)じく遠い。

(たと)え残った花が有っても、征衣(たびのころも)(うるお)し、鉛涙(なみだ)(すべ)て満ちている。

()殷勤(ねんいり)に折り取って、(ひと)一襟(むね)にある幽怨(うらみ)(おく)ろう。


fǎ qǔ xiàn xiān yīn

jù jǐng tíng méi,cì cǎo chuān yùn.

1 céng lǜ é é,xiān qióng jiǎo jiǎo,dǎo yā bō hén qīng qiǎn.
2 guò yǎn nián huá,dòng rén yōu yì,xiāng féng jǐ fān chūn huàn.
3 jì huàn jiǔ xún fāng chǔ,yíng yíng tùn zhuāng wǎn.

4 yǐ xiāo àn.
5 kuàng qī liáng、jìn lái lí sī,yìng wàng què、míng yuè yè shēn guī niǎn.
6 rěn rǎn yì zhī chūn,hèn dōng fēng、rén sì tiān yuǎn.
7 zòng yǒu cán huā,sǎ zhēng yī、qiān lèi dōu mǎn.
8 dàn yīn qín zhé qǔ,zì qiǎn yì jīn yōu yuàn.

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