2022年10月10日月曜日

262女冠子(蔣捷)

女冠子  蔣捷

元夕

1蕙花香也。
2雪晴池館如画。
3春風飛到、宝釵楼上、一片笙簫、琉璃光射。
4而今灯漫掛。
5不是暗塵明月、那時元夜。
6況年来・心懶意怯、羞与蛾児争耍。

7江城人悄初更打。
8問繁華誰解、再向天公借。
9剔残紅灺。
10但夢裏隠隠、鈿車羅帕。
11呉箋銀粉砑。
12待把旧家風景、写成閑話。
13笑緑鬟鄰女、倚窓猶唱、夕陽西下。

元夕

1蘭の花が香っている。
2雪が晴れた池のほとりの館は画のよう。
3春風にのって飛んでくる、宝釵楼の上、一面の笙簫の音、ガラス灯籠の光に射られて。
4いま、提灯をみだりに掛ける。
5人の往来で塵がたち明月に照らされていた、あの時の元宵の夜とは違っていて。
6まして近頃、気持ちは萎えて、髪飾りをした女性たちと争って遊ぶのは恥ずかしい。

7川のほとりの街で人々は寝静まる、初更の鐘が打ち鳴らされる頃。
8あの繁華のあとを尋ねる、誰ができるだろうか、再び天に以前の賑やかさを借りることを。
9残った蠟燭の芯を切る。
10ただ夢の中でひっそりと、飾り立てた車と絹のハンカチが行き来する。
11呉の紙は白くなめらか。
12かつての都の風景を、ひまつぶしに書くことにしよう。
13黒髪の隣の娘を笑いながら。窓にもたれてまだ歌っている、「夕陽西下」の歌を。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3宝釵楼:咸陽にあった酒楼の名。ここは広く歌館や酒楼を指す。 琉璃:琉璃の彩灯。 5暗塵明月:唐・蘇味道「上元」詩に「暗塵随馬行、明月遂人来(暗塵 馬に随いて行き、明月 人に遂いて来たる)」とある。 6蛾児:女性が頭につける彩花。 9灺:音は「謝」、灯の燃え残り。 10鈿車羅帕:周邦彦107「解語花 上元」に「鈿車羅帕、相逢処・自有暗塵随馬(鈿車 羅帕、相い逢う処、自ら暗塵の馬に随う有り)」とある。 11砑:音は「迓」、石うす。石うす(ローラー)で紙や布、皮革などを磨き、光沢を出すことを「砑光」という。 13夕陽西下:范周「宝鼎現」に「夕陽西下、暮靄紅隘、香風羅綺(夕陽 西に下り、暮靄 紅隘る、香風 羅綺)」とある。元夕のにぎわいを詠っている。

元夕

 

(らん)の花が香っている()

2雪が晴れた池の館は画の(よう)

3春風が飛到(とんでく)る、宝釵楼の上、一片(いちめん)の笙簫、琉璃(ガラスどうろう)の光に射られて。

而今(いま)、灯を(みだり)に掛ける。

暗塵(ちり)と明月、那時(あのとき)の元夜とは不是(ちが)って。

(まし)年来(ちかごろ)心意(きもち)懶怯()えて、蛾児(かみかざりのひと)()争って(あそ)ぶのは(はずか)しい。

 

(かわ)(まち)で人々は(しず)まる、初更を()つ。

8繁華を(たず)ねる、誰が(でき)るだろう、、再び天公(てん)()借りることを。

残紅(のこ)った(ともしびのしん)()る。

10()だ夢の(なか)隠隠(ひっそり)と、鈿車(かざりたてたくるま)(きぬのハンカチ)

11呉の(かみ)銀粉(しろ)(なめ)らか

12旧家(かつてのみやこ)の風景()閑話(ひまつぶし)写成()くことに()よう。

13緑鬟(くろかみ)の鄰の(むすめ)を笑う、窓に(もた)れて()だ唱っている、「夕陽西下」。


nǚ guān zǐ

yuán xī

1 huì huā xiāng yě.
2 xuě qíng chí guǎn rú huà.
3 chūn fēng fēi dào,bǎo chāi lóu shàng,yí piàn shēng xiāo,liú lí guāng shè.
4 ér jīn dēng màn guà.
5 bú shì àn chén míng yuè,nà shí yuán yè.
6 kuàng nián lái、xīn lǎn yì qiè,xiū yǔ é ér zhēng shuǎ.

7 jiāng chéng rén qiǎo chū gēng dǎ.
8 wèn fán huá shuí jiě,zài xiàng tiān gōng jiè.
9 tī cán hóng xiè.
10 dàn mèng lǐ yǐn yǐn,diàn chē luó pà.
11 wú jiān yín fěn yà.
12 dài bǎ jiù jiā fēng jǐng,xiě chéng xián huà.
13 xiào lǜ huán lín nǚ,yǐ chuān yóu chàng,xī yáng xī xià.

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