2022年10月8日土曜日

250摸魚児(朱嗣発)

摸魚児  朱嗣発

1対西風・鬢搖煙碧、参差前事流水。
2紫糸羅帯鴛鴦結、的的鏡盟釵誓。
3渾不記、漫手織回文、幾度欲心碎。
4安花著蒂。
5奈雨覆雲翻、情寬分窄、石上玉簪脆。

6朱楼外、愁圧空雲欲墜。
7月痕猶照無寐。
8陰晴也只随天意、枉了玉消香碎。
9君且酔。
10君不見・長門青草春風涙。
11一時左計、悔不早荊釵、暮天修竹、頭白倚寒翠。

1秋風に吹かれて、鬢は靄のように揺れる、さまざまな昔の出来事は水とともに流れて。
2赤い帯は鴛鴦結び、はっきりとした鏡の誓い、かんざしの誓い。
3すべて忘れた、みだりに回文を織り、幾度も訴えようとしたけれど。
4花を蒂にしっかりと置こう。
5どうしようもない、あの人は移り気で、思いは厚くても縁が薄い、石の上で玉のかんざしが砕かれる。

6たかどのの向こう、愁いは雲を圧して落としそう。
7月のあとが寝る人のいない寝台をまだ照らしている。
8満ち欠けもただ天意に随うのであれば、若さが消えゆくのも仕方ない。
9あなたはしばらく酔っていてください。
10あなたは知らないでしょう、長門の草が春風に吹かれて涙をこぼしているのを。
11一時の見込み違いで、さっさとしなかったことを悔いています、イバラのかんざしをするほど貧乏でも、夕暮れの竹に、白髪頭でもたれる清貧な暮らしもできたのに。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2的的:明々白々。 3回文:蘇蕙が錦を織った故事。晏幾道058「六么令」の注、参照。 5分:「情份」「縁份」。(「份」は分けた部分、の意) 玉簪脆:憤って玉のかんざしを砕くさま。 10長門青草:漢の武帝が長門皇后を長門宮に入れた故事。辛棄疾175「摸魚児」の注、参照。五代・薛昭蘊「小重山」に「春到長門春草青(春 長門に到り春草青し)」とある。 11左計:見込み違いをする。 荊釵:女性の貧しい暮らし。『列女伝』に「梁鴻の妻孟光は、荊(イバラ)を釵とし、布をスカートとした」とある。 「暮天」二句:杜甫「佳人」詩に「天寒翠袖薄、日暮倚修竹(天寒く翠袖薄く、日暮れて修竹に倚る)」とある。

西風(あきかぜ)(むか)えば、鬢は煙碧(もや)に搖れる、参差(さまざま)前事(むかしのこと)は水に流れて。

紫糸(あか)羅帯(おび)は鴛鴦結び、的的(はっきり)とした鏡の(ちか)い、(かんざし)の誓い。

(すべ)不記(わすれ)た、(みだり)に回文を手織()り、幾度も心碎(うったえ)よう()としたけれど。

4花を蒂に(しっかり)()こう。

(どうしようもな)い、雨覆雲翻(うつりぎ)で、(おもい)(あつ)くても(えん)(うす)い、石の上で玉の簪が(くだ)かれる。

 

朱楼(たかどの)(むこう)、愁いは空雲(くも)を圧して墜ちそう()

7月の(あと)が寐るひとの(いな)いベッドを()だ照らす。

陰晴(みちかけ)()()だ天意に随うのなら、玉香(わかさ)消碎(きえ)るのも枉了(しかたな)い。

(あなた)(しばら)く酔っていて。

10(あなた)不見(しらな)い、長門の青草(くさ)が春風に涙するのを。

11一時の左計(まちがい)で、(さっさ)(しなかっ)たことを悔いる、荊釵(びんぼうぐらし)で、暮天(くれ)の修竹、頭白(しらがあたま)寒翠(たけ)(もた)れることを。


mō yú ér

1 duì xī fēng、bìn yáo yān bì,cēn cī qián shì liú shuǐ.
2 zǐ mì luó dài yuan yāng jié,dí dí jìng méng chāi shì.
3 hún bú jì,màn shǒu zhī huí wén,jǐ dù yù xīn suì.
4 ān huā zhe dì.
5 nài yǔ fù yún fān,qíng kuān fēn zhǎi,shí shàng yù zān cuì.

6 zhū lóu wài,chóu yā kōng yún yù zhuì.
7 yuè hén yóu zhào wú mèi.
8 yīn qíng yě zhǐ suí tiān yì,wǎng liǎo yù xiāo xiāng suì.
9 jūn qiě zuì.
10 jūn bú jiàn、cháng mén qīng cǎo chūn fēng lèi.
11 yì shí zuǒ jì,huǐ bù zǎo jīng chāi,mù tiān xiū zhú,tóu bái yǐ hán cuì.

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