2022年10月6日木曜日

242瑞鶴仙(呉文英)

瑞鶴仙  呉文英

1晴糸牽緒乱。
2対滄江斜日、花飛人遠。
3垂楊暗呉苑。
4正旗亭煙冷、河橋風暖。
5蘭情蕙盼。
6惹相思・春根酒畔。
7又争知・吟骨縈銷、漸把旧衫重翦。

8淒断。
9流紅千浪、缺月孤楼、総難留燕。
10歌塵凝扇。
11待憑信、拚分鈿。
12試挑灯欲写、還依不忍、箋幅偸和涙巻。
13寄残雲剩雨蓬萊、也応夢見。

1晴れた空に揺れる蜘蛛の糸が、気持ちをかき乱す。
2川の夕日に向かう、花びらは飛び、人は遠い。
3柳が呉の庭に茂る。
4ちょうど酒屋の煙が冷たく、橋に風が暖かいころ。
5蘭のような思いと、蕙のようなまなざし。
6思いを惹かれる、春の暮れ、酒のそば。
7またあなたはどうして知るだろう、私がやつれて、少しずつ古い衣を再び切っているなんて。

8寂しい。
9花びらの流れる波、欠けた月とぽつんとしたたかどの、すべて燕を留めることは難しい。
10歌おうとすると、塵のたまった扇。
11あの人の確かな便りを待ち、別れのかんざしを捨てる。
12試しに蠟燭の芯を切り、手紙を書こうとするが、またやはり堪えられなくて、便箋をそっと涙と一緒に巻く。
13残った思いを蓬萊に寄せれば、またきっと夢で会えるだろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1晴糸:春に虫などが吐き出す糸が空中を泳ぐさま。 3呉苑:呉王闔閭が建てた林苑。 4旗亭:酒楼。 11分鈿:別れること。白居易「長恨歌」に「釵留一股合一扇、釵擘黄金合分鈿(釵は一股を留め合は一扇、釵は黄金を擘き合は鈿を分かつ)」とある。

1晴れた糸が、(きもち)牽乱(みだ)す。

滄江(かわ)斜日(ゆうひ)(むか)う、花は飛び人は遠い。

垂楊(やなぎ)が呉の(にわ)(しげ)る。

(ちょう)旗亭(さかや)の煙が冷たく、河橋(ばし)の風が暖かい。

5蘭の(おもい)と蕙の(まなざし)

相思(おもい)(ひか)れる、春の(くれ)、酒の(そば)

()(どうし)て知るだろう、吟骨(わたし)縈銷(やつ)れて(しだい)と旧い(ころも)()(ふたた)()っているなんて。

 

淒断(さび)しい。

(はなびら)の流れる千浪(なみ)、缺けた月と(ぽつん)とした(たかどの)(すべ)て燕を留めることは難しい。

10歌おうとすると、塵の(たま)った扇。

11憑信(たしかなたより)を待ち、分鈿(わかれのかんざし)()てる

12(ためし)に灯を()()こう()として、()(やは)不忍(こらえられな)くて、箋幅(びんせん)(そっ)涙と(いっしょ)巻く。

13残剩(のこ)った雲雨(おもい)を蓬萊に寄せれば、()(きっ)と夢で()えるだろう。


ruì hè xiān

1 qíng mì qiān xù luàn.
2 duì cāng jiāng xié rì,huā fēi rén yuǎn.
3 chuí yáng àn wú yuàn.
4 zhèng qí tíng yān lěng,hé qiáo fēng nuǎn.
5 lán qíng huì pàn.
6 rě xiāng sī、chūn gēn jiǔ pàn.
7 yòu zhēng zhī、yín gǔ yíng xiāo,jiàn bǎ jiù shān zhòng jiǎn.

8 qī duàn.
9 liú hóng qiān làng,quē yuè gū lóu,zǒng nán liú yàn.
10 gē chén níng shàn.
11 dài píng xìn,pīn fēn diàn.
12 shì tiǎo dēng yù xiě,hái yī bù rěn,jiān fú tōu hé lèi juǎn.
13 jì cán yún shèng yǔ péng lái,yě yìng mèng jiàn.

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