2022年10月6日木曜日

240八声甘州(呉文英)

八声甘州  呉文英

霊岩陪庾幕諸公遊

1渺空煙四遠、是何年・青天墜長星。
2幻蒼崖雲樹、名娃金屋、残霸宮城。
3箭径酸風射眼、膩水染花腥。
4時靸双鴛響、廊葉秋声。

5宮裏呉王沈酔、倩五湖倦客、独釣醒醒。
6問蒼波無語、華髮奈山青。
7水涵空・欄杆高処、送乱鴉・斜日落漁汀。
8連呼酒、上琴台去、秋与雲平。

霊岩にて庾幕の諸公につきそって遊んだ

1はるかけぶる四方、あれはいつだったか、青天から長星が墜ちた。
2幻の蒼い崖、雲なす樹、すばらしい館、呉王夫差の宮城。
3矢のようにのびる川からの風がまなこを射る、ねっとりした水はおしろいを染めて生臭い。
4時おり靴の響き、回廊は秋の音。

5宮殿では呉王が酔い潰れ、五湖の倦客(范蠡)に、独り冴え冴えと釣りをさせた。
6波に問うても応えない、白髪頭の私は、山だけが青々と残るさまをどうしようもない。
7水は広がる、欄杆にもたれて高処で、群れる烏が夕日のなか、岸に下りるのを見送る。
8酒を続けざまに持ってこさせ、琴台に登ると、秋は雲とともに平らになっている。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0霊岩:山の名。別名、硯石山という。いま江蘇省呉県木涜鎮の西北、太湖の東岸にある。春秋時代の末、呉王夫差がここに離宮を建てた。いまの霊岩寺。『野荻編』に「霊岩山には夫差の館娃宮・響屟廊・浣花池・采香径など景勝地があり、呉中でもっとも壮麗だった」とある。題は「陪庾幕諸公遊霊岩」とするテキストもある。 2名娃金屋:館娃宮をいう。 残霸:呉王夫差をいう。 3箭径:『呉郡志』に「采香径は香山のそばにある小さな池である。呉王が香山に香を植え、美人に舟を浮かべて香を采らせた。いま霊岩からこれを一望すると、まっすぐに矢のような河が見えるので、俗に箭径と呼ばれる」とある。 酸風射眼:李賀「金銅仙人辞漢歌」に「東関酸風射眸子(東関の酸風 眸子を射る)」とある。 4靸:靴を履く。動詞。響屟廊は、鳴屐廊ともいい、楩木や楠木をはって中が空洞になっており、西施が歩くと、音が鳴った。 5五湖倦客:范蠡のこと。呉が滅んだあと、五湖に遊んで、死んだ。 8琴台:霊岩山の上にある。

霊岩にて庾幕の諸公に(つきそ)って遊んだ

 

渺空(はるか)(けぶ)四遠(しほう)(あれ)何年(いつ)か、青天から長星が墜ちた。

2幻の蒼い崖、雲なす樹、名娃金屋(すばらしいやかた)残霸(ごおうふさ)の宮城。

箭径(かわ)酸風(かぜ)(まなこ)を射る、(ねっとり)した水は(おしろい)を染めて(なまぐさ)い。

4時おり双鴛(くつ)()廊葉(かいろう)は秋の(おと)

 

宮裏(きゅうでん)では呉王が沈酔(よいつぶ)れ、五湖倦客(はんれい)に、独り醒醒(さえざえ)と釣を(させ)た。

蒼波(なみ)に問うても無語(こたえな)い、華髮(しらがあたま)で、山の青さを(どうしようもな)い。

7水は涵空(ひろが)る、欄杆の高処、乱鴉(むれるからす)斜日(ゆうひ)漁汀(みぎわ)(おり)るのを(みおく)る。

8酒を連呼し、琴台に上去(のぼ)ると、秋は雲と(とも)に平らだ。


bā shēng gān zhōu

líng yán péi yǔ mù zhū gōng yóu

1 miǎo kōng yān sì yuǎn,shì hé nián、qīng tiān zhuì cháng xīng.
2 huàn cāng yái yún shù,míng wá jīn wū,cán bà gong chéng.
3 jiàn jìng suān fēng shè yǎn,nì shuǐ rǎn huā xīng.
4 shí sǎ shuāng yuān xiǎng,láng yè qiū shēng.

5 gong lǐ wú wáng shěn zuì,qiàn wǔ hú juàn kè,dú diào xǐng xing.
6 wèn cāng bō wú yǔ,huá fà nài shān qīng.
7 shuǐ hán kòng、lán gān gāo chù,sòng luàn yā、xié rì luò yú tīng.
8 lián hū jiǔ,shàng qín tái qù,qiū yǔ yún píng.

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