2022年10月4日火曜日

227花犯(呉文英)

花犯  呉文英

郭希道送水仙、索賦。

1小娉婷、清鉛素靨、蜂黄暗偸暈。
2翠翹欹鬢。
3昨夜冷中庭、月下相認。
4睡濃更苦淒風緊。
5驚回心未穏。
6送暁色・一壺蔥蒨、才知花夢準。

7湘娥化作此幽芳、凌波路、古岸雲沙遺恨。
8臨砌影、寒香乱・凍梅蔵韻。
9熏炉畔・旋移傍枕、還又見・玉人垂紺鬒。
10料喚賞・清華池館、台杯須満引。

郭希道が水仙を送ってきて、詞を求めた。

1小さく美しく、おしろいにえくぼ、黄色くそっと額を飾っている。
2翡翠の羽が鬢に傾いて。
3昨夜の冷たい中庭、月の下で出会った。
4ぐっすりと眠っていたが、冷たい風が強くてもっと苦められて。
5はっと目覚めて、落ち着かなかった。
6明け方に壺に水仙が送られてきて、花の夢が確かなものだとようやく知った。

7湘水の女神がこの花に化した、波を踏む路に、岸に残された恨みとともに。
8きざはしに臨んだ姿は、冷たい香りがあふれ、凍った梅が気韻をかくしているよう。
9香炉のそば、枕元に移して、また見る、美しい人が黒髪を垂らすような姿を。
10おそらく送ってくれた彼の屋敷で愛でられていただろう、酒杯をきっといっぱいにして。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0郭希道:作者の友人で、夢窓詞からはしばしば往来していたことが分かるが、平生の事績は不詳。 1鉛:おしろい。女性が顔にぬる化粧品。 靨:えくぼ。 蜂黄:女性が化粧に用いる黄色い顔料。六朝時代の女性は、これを額に塗って飾りとすることが多かった。 2翠翹:翡翠の尾の羽。女性の髪飾り。 欹:斜めにもたれる。 6蔥蒨:青々と茂るさま。 9紺鬒:美しい髪。空の青色を「紺」、黒々として濃いものを「鬒」という。 10清華池館:郭希道のいるところ。朱孝臧『夢窓詞小箋』に「清華は希道のことではないか」とある。夢窓集に「婆羅門引 郭清華席上」「絳都春 為郭清華内子寿」「絳都春 往来清華池館六年」「喜遷鶯 過希道家看牡丹」「花心動 郭清華新軒」「声声慢 飲郭園」諸作品がある。 台杯:大小セットになった一組の杯をいう。楊鉄夫箋に「山堂肆考」を引いて「世に水仙を金盞銀台という」とある。

郭希道が水仙を送ってきて、()(もと)めた。

 

1小さく(うつく)清鉛(おしろい)素靨(えくぼ)蜂黄(きいろ)暗偸(そっ)(かざ)っている。

(ひすい)(はね)が鬢に(かたむ)く。

3昨夜の冷たい中庭、月の下で相認()った。

(ぐっすり)(ねむ)っていたが、淒風(かぜ)(つよ)くて(もっ)と苦められて。

驚回心(はっとめざ)めて未穏(おちつかな)かった。

暁色(あけがた)に一壺の蔥蒨(すいせん)が送られて、花(たし)かだと(ようや)く知った。

 

(しょうすい)(めがみ)()幽芳(はな)化作()った、波を()む路、古岸雲沙(きし)に遺された恨みと。

(きざはし)に臨んだ(すがた)は、(つめ)たい香りが(あふ)れ、凍った梅が韻を(かく)している。

熏炉(こうろ)(そば)傍枕(まくらもと)旋移(うつ)して、還又()た見る、玉人(うつくしいひと)(くろかみ)を垂らすのを

10(おそら)清華(かれ)池館(やしき)喚賞(めで)られただろう、台杯を(きっ)満引(いっぱい)にして。


huā fàn

guō xī dào sòng shuǐ xiān,suǒ fù.

1 xiǎo pīng tíng,qīng qiān sù yè,fēng huáng àn tōu yūn.
2 cuì qiào qī bìn.
3 zuó yè lěng zhōng tíng,yuè xià xiāng rèn.
4 shuì nóng gèng kǔ qī fēng jǐn.
5 jīng huí xīn wèi wěn.
6 sòng xiǎo sè、yì hú cōng qiàn,cái zhī huā mèng zhǔn.

7 xiāng é huà zuò cǐ yōu fāng,líng bō lù,gǔ àn yún shā yí hèn.
8 lín qì yǐng,hán xiāng luàn、dòng méi cáng yùn.
9 xūn lú pàn、xuàn yí bàng zhěn,hái yòu jiàn、yù rén chuí gàn zhěn.
10 liào huàn shǎng、qīng huá chí guǎn,tái bēi xū mǎn yǐn.

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