八帰 史達祖
1秋江帯雨、寒沙縈水、人瞰画閣愁独。2煙蓑散響驚詩思、還被乱鷗飛去、秀句難続。
3冷眼尽帰図画上、認隔岸・微茫雲屋。
4想半屬・漁市樵村、欲暮竟燃竹。
5須信風流未老、憑持尊酒、慰此淒涼心目。
6一鞭南陌、幾篙官渡、頼有歌眉舒緑。
7只匆匆眺遠、早覚閑愁掛喬木。
8応難奈・故人天際、望徹淮山、相思無雁足。
1秋の川は雨を帯び、冷たい岸に水はめぐり、私はたかどのから眺めて独り愁う。
2けぶる漁師は網かける音を立てて詩人の心を驚かせ、また群れる鷗に飛び去られて、秀句も続き難い。
3冷たいまなざしで美しい景色を見尽くし、岸を隔ててかすむ雲間の家を認める。
4想う、漁師の市と樵の村になかば屬するところ、夜も遅くに竹を燃やそうとしているのだろう、と。
5信じるべきだ、風流は衰えていない、酒を持って、このわびしい気持ちを慰められる、と。
6馬に鞭くれて南の通りへ行く、渡し場をどれくらい渡ったろう、美しい歌姫がいるのを頼りに。
7ただそそくさと眺めれば、静かな愁いが喬木に掛かることに早くも気づく。
8きっとどうしようもない、友は天の果て、淮山を眺め尽くしても、思いを綴る手紙は来ない。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1瞰:俯瞰する。 4「欲暮」句:柳宗元「漁翁」詩に「漁翁夜傍西岩宿、暁汲清湘燃楚竹(漁翁 夜 西岩に傍いて宿し、暁に淸湘に汲みて楚竹を燃く)」とある。 5憑持尊酒:「憑持酒」とするテキストや、「憑誰持酒」とするテキストもある。 6歌眉舒緑:黛をながくひいた眉の歌女が歌う。古代は、黛緑(まゆずみ)で眉を描いた。 8奈:「禁」とするテキストもある。 雁足:手紙をいう。
1秋の江は雨を帯び、寒たい沙に水は縈り、人は画閣から瞰めて独り愁う。
2煙る蓑は響を散てて詩思を驚かせ、還た乱る鷗に飛び去られて、秀句も続き難い。
3冷たい眼で図画の上を尽帰し、岸を隔てて微茫む雲の屋を認める。
4想う、漁の市と樵の村に半ば屬するところ、暮も竟くに竹を燃やそうとするのか、と。
5信じるべきだ、風流は未老い、尊酒を憑持て、此の淒涼しい心目を慰められると。
6一鞭る南陌、官渡を幾篙、歌眉舒緑が有るのを頼りに。
7只だ匆匆と眺遠れば、閑かな愁いが喬木に掛かることに早くも覚く。
8応と難奈い、故人は天際、淮山を望め徹くしても、相思をつづる雁足は無い。
bā guī
1 qiū jiāng dài yǔ,hán shā yíng shuǐ,rén kàn huà gé chóu dú.
2 yān suō sàn xiǎng jīng shī sī,hái bèi luàn ōu fēi qù,xiù jù nán xù.
3 lěng yǎn jìn guī tú huà shàng,rèn gé àn、wēi máng yún wū.
4 xiǎng bàn shǔ、yú shì qiáo cūn,yù mù jìng rán zhú.
5 xū xìn fēng liú wèi lǎo,píng chí zūn jiǔ,wèi cǐ qī liáng xīn mù.
6 yì biān nán mò,jǐ gāo guān dù,lài yǒu gē méi shū lǜ.
7 zhǐ cōng cōng tiào yuǎn,zǎo jué xián chóu guà qiáo mù.
8 yìng nán nài、gù rén tiān jì,wàng chè huái shān,xiāng sī wú yàn zú.
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