玉蝴蝶 史達祖
1晚雨未摧宮樹、可憐閑葉、猶抱涼蟬。2短景帰秋、吟思又接愁辺。
3漏初長・夢魂難禁、人漸老・風月俱寒。
4想幽歓、土花庭甃、虫網闌干。
5無端。
6啼蛄攪夜、恨随団扇、苦近秋蓮。
7一笛当楼、謝娘懸涙立風前。
8故園晚・強留詩酒、新雁遠・不致寒暄。
9隔蒼煙、楚香羅袖、誰伴嬋娟。
1晚の雨は宮殿の樹を促すことはなく、かわいそうに枯れ葉に、まだ秋の蟬がしがみついている。
2短かい昼間、秋になって、思いもまた愁いに近づく。
3夜の時は長くなりはじめ、夢に魂が遊びがち、人は次第に老いる、風月を愛でる心もなにもかも冷えて。
4想う、かつてひそかに楽しんだ、地面の花や庭の井桁、蜘蛛の網のかかる手すりを。
5分からない。
6ケラが鳴いて夜を乱し、恨みは団扇に随い、苦さは秋の蓮に似ている。
7笛の音の聞こえるたかどので、謝娘のようなあの人は涙を流しながら、風の前に立っている。
8故郷の庭の晩を、むりに詩と酒で過ごした、新しくやってきた雁が遠くへいくが、手紙は托さないまま。
9靄を隔てて、楚の娘の香る薄絹の袖、誰があの美しい人に付き添っているのだろう。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2短景:短い昼。「景」は陽ざし。 4甃:レンガを積んで作った井桁。 6蛄:螻蛄(けら)。虫の名で、穴の中で巣を作り、鳴く。 恨随団扇:班婕妤「怨歌行序」に「婕妤は初め成帝に寵愛され、後に趙氏の勢力が増大すると、身の危険を案じて、太后を長信宮で供養したいと申し出て、紈扇(うちわ)の詩を作って自らを傷んだ。「秋扇見捐(秋になると扇は捨てられる)」の故事は、ここから生まれた。 苦近秋蓮:蓮の実の芯は苦く、古楽府ではしばしば同音の「憐心」とかけて、男女の相思の苦しみをいう。唐・李群玉「寄人」詩に「莫嫌一点苦、便擬棄蓮心(嫌う莫れ 一点の苦、便ち蓮心を棄つるに擬たり)」とある。
1晚の雨は宮の樹を未摧い、可憐に閑葉に、猶だ涼蟬が抱く。
2短かい景、秋に帰って、吟思も又た愁辺に接く。
3漏は長くなり初め、夢に魂が難禁で、人は漸に老いる、風月に俱も寒えて。
4想う、幽かに歓しんだ、土の花や庭の甃、虫の網の闌干を。
5無端い。
6蛄が啼いて夜を攪し、恨みは団扇に随い、苦さは秋の蓮に近い。
7一笛の楼で、謝娘は涙を懸しながら風前に立つ。
8故園の晚を、強に詩と酒で留した、新しい雁が遠くへ、寒暄は不致いで。
9蒼煙を隔てて、楚の香る羅袖、誰が嬋娟に伴っているのか。
yù hú dié
1 wǎn yǔ wèi cuī gōng shù,kě lián xián yè,yóu bào liáng chán.
2 duǎn jǐng guī qiū,yín sī yòu jiē chóu biān.
3 lòu chū cháng、mèng hún nán jìn,rén jiàn lǎo、fēng yuè jù hán.
4 xiǎng yōu huān,tǔ huā tíng zhòu,chóng wǎng lán gān.
5 wú duān.
6 tí gǔ jiǎo yè,hèn suí tuán shàn,kǔ jìn qiū lián.
7 yì dí dāng lóu,xiè niáng xuán lèi lì fēng qián.
8 gù yuán wǎn、qiǎng liú shī jiǔ,xīn yàn yuǎn、bú zhì hán xuān.
9 gé cāng yān,chǔ xiāng luó xiù,shuí bàn chán juān.
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