2022年9月30日金曜日

210秋霽(史達祖)

秋霽  史達祖

1江水蒼蒼、望倦柳愁荷、共感秋色。
2廃閣先涼、古簾空暮、雁程最嫌風力。
3故園信息、愛渠入眼南山碧。
4念上国、誰是・膾鱸江漢未帰客。

5還又歳晚、瘦骨臨風、夜聞秋声、吹動岑寂。
6露蛩悲・青灯冷屋、翻書愁上鬢毛白。
7年少俊遊渾断得。
8但可憐処、無奈苒苒魂驚、采香南浦、翦梅煙駅。

1川は青々、くたびれた柳と悲しげなハスを眺め、共に秋の気配を感じる。
2すたれた堂がまず涼しくなり、古びた簾がむなしく暮れて、雁の旅は風が強くなることを最も嫌う。
3故郷のたより、あの目に入る南山の緑を愛する。
4都を思う、誰だろう、ふるさとの味のある江漢に帰らない旅人は。

5またも歳の暮れ、痩せた身体で風に臨み、夜に秋の声を聞き、寂しさを吹き動かされる。
6露にぬれてコオロギは悲しげ、青く灯のともる冷たい部屋、書を広げれば愁いで鬢が白くなる。
7若いころの遊びはすべて断たれた。
8ただ悲しいところだけ、どうしようもなくやわな魂を驚かせる、香り草を南浦に採り、梅を靄のたちこめる駅で切る。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3南山:杭州西湖に南北ふたつの山があり、南山は南屏山とも呼ばれる。 4膾鱸:晋の張翰が故郷を思った故事。辛棄疾174「水龍吟」の「鱸魚堪膾」の注、参照。

1江水(かわ)は蒼蒼(あおあお)、倦(くたび)れた柳と愁(かな)しげな荷(ハス)を望(なが)め、共に秋の色(けはい)を感じる。

2廃(すた)れた閣(たかどの)が先ず涼しくなり、古びた簾が空しく暮れて、雁の程(たび)は風が力(つよ)くなることを最も嫌う。

3故園(ふるさと)の信息(たより)、渠(あ)の眼に入る南山の碧(みどり)を愛する。

4上国(みやこ)を念(おも)う、誰是(だれ)だろう、膾鱸(ふるさとのあじ)の江漢に未帰(かえらな)い客(たびびと)は。

 

5還(ま)た又た歳の晚(くれ)、瘦せた骨(からだ)で風に臨み、夜に秋の声を聞き、岑寂(さびし)さを吹き動かす。

6露に蛩(こおろぎ)は悲しげ、青い灯の冷たい屋(へや)、書を翻(ひら)けば愁いが鬢毛(びん)を白く上(そめ)る。

7年少(わかいころ)の俊遊(あそび)は渾(すべ)て断得(たた)れた。

8但(た)だ可憐(かな)しい処(ところ)だけ、無奈(どうしようもな)く苒苒(やわ)な魂を驚かせる、香(かおりぐさ)を南浦に采(と)り、梅を煙(けぶ)る駅に翦(き)る。


qiū jì

1 jiāng shuǐ cāng cāng,wàng juàn liǔ chóu hé,gòng gǎn qiū sè.
2 fèi gé xiān liáng,gǔ lián kòng mù,yàn chéng zuì xián fēng lì.
3 gù yuán xìn xī,ài qú rùyǎn nán shān bì.
4 niàn shàng guó,shuí shì、kuài lú jiāng hàn wèi guī kè.

5 hái yòu suì wǎn,shòu gǔ lín fēng,yè wén qiū shēng,chuī dòng cénj ì.
6 lù qióng bēi、qīng dēng lěng wū,fān shū chóu shàng bìn máo bái.
7 nián shào jùn yóu hún duàn dé.
8 dàn kě lián chǔ,wú nài rǎn rǎn hún jīng,cǎi xiāng nán pǔ,jiǎn méi yān yì.

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