2022年9月30日金曜日

206双双燕(史達祖)

双双燕  史達祖

詠燕

1過春社了、度簾幕中間、去年塵冷。
2差池欲住、試入旧巣相並。
3還相雕梁藻井、又軟語・商量不定。
4飄然快払花梢、翠尾分開紅影。

5芳径、芹泥雨潤、愛貼地争飛、竟夸軽俊。
6紅楼帰晚、看足柳昏花暝。
7応自棲香正穏、便忘了・天涯芳信。
8愁損翠黛双蛾、日日画欄独憑。

燕を詠む

1春社を過ぎて、簾やカーテンの間を渡ると、去年の塵が冷たい。
2尾羽を休ませようとして、古巣に並んで入ろうとする。
3また梁と天井を見て、また柔らかい言葉で相談すること、やまない。
4ふいにさっと花咲く梢をかすめて、尾は花影に分け入る。

5香る小径、芹の泥は雨に潤い、好んで地に貼りつくように争って飛び、そして身軽さを誇る。
6たかどのに遅く帰ってくる、暗い柳と花を見尽くして。
7きっと自分たちの心地よい寝床でゆったりして、すぐに天の果ての手紙は忘れてしまうだろう。
8やつれたあの人は、くる日もくる日も手すりに独りもたれている。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1春社:社日は農事の祭祀の日、春と秋がある。春社は穀物が豊かであることを祈り、秋社は願いがかなったことを神に感謝する。春の社日は春分の前後にふつう来るが、そのころ燕が飛んできて、秋社の頃に去る。 度簾幕中間:『青箱雑記』に晏殊の断句「楼台側畔楊花過、簾幕中間燕子飛(楼台の側畔に楊花過ぎ、簾幕の中間に燕子飛ぶ)」が引用されている。 2差池:『詩経』邶風「燕燕」に「燕燕于飛、差池其羽(燕燕 于きて飛び、其の羽を差池す)」とあり、箋に「其の尾翼を張舒するを謂う」とある。 3相:細かに見る。「相面」「星相」の相。 藻井:井桁の形に装飾し、菱やハスや藻を描いた天井板。火災を押さえる意味が込められている。 5芹泥:杜甫「徐歩」詩に「芹泥随燕嘴(芹泥 燕嘴に随う)」とある。

燕を詠む

 

1春社を過了(すぎ)て、簾幕の中間を(わた)ると、去年の塵が冷たい。

差池(おばね)(やす)ませよう()として、旧巣(ふるす)相並(なら)んで試入(はいってみ)る。

()雕梁(はり)藻井(てんじょう)()て、()(やわらかい)(ことば)商量(そうだん)すること不定(やまな)い。

飄然(ふい)(さっ)と花さく梢を(かす)めて、翠尾()(はな)(かげ)分開(わけい)る。

 

(かお)(こみち)、芹の泥は雨に潤い、(この)んで地に貼りつき争って飛び、(そし)軽俊(みがる)さを(ほこ)る。

紅楼(たかどの)(おそ)く帰る、昏暝(くら)い柳と花を看足(みつく)して。

(きっ)(じぶん)たちの棲香(ここちよいねどこ)正穏(ゆったり)して、便(すぐ)天涯(てんのはて)芳信(てがみ)忘了(わすれてしま)う。

愁損(やつれ)翠黛双蛾(あのひと)は、くる日もくる日も画欄(てすり)に独り(もた)れる。


shuāng shuāng yàn

yǒng yàn

1 guò chūn shè liǎo,dù lián mù zhōng jiān,qù nián chén lěng.
2 chā chí yù zhù,shì rù jiù cháo xiāng bìng.
3 hái xiāng diāo liáng zǎo jǐng,yòu ruǎn yǔ、shāng liang bú dìng.
4 piāo rán kuài fú huā shāo,cuì wěi fēn kāi hóng yǐng.

5 fāng jìng,qín ní yǔ rùn,ài tiē dì zhēng fēi,jìng kuā qīng jùn.
6 hóng lóu guī wǎn,kàn zú liǔ hūn huā mìng.
7 yìng zì qī xiāng zhèng wěn,biàn wàng liǎo、tiān yá fāng xìn.
8 chóu sǔn cuì dài shuāng é,rì rì huà lán dú píng.

0 件のコメント:

コメントを投稿