2022年9月29日木曜日

204宴山亭(張鎡)

宴山亭  張鎡

1幽夢初回、重陰未開、暁色催成疏雨。
2竹檻気寒、蕙畹声搖、新緑暗通南浦。
3未有人行、才半啓・回廊朱戸。
4無緒。
5空望極霓旌、錦書難拠。

6苔径追憶曾遊、念誰伴、秋千彩縄芳柱。
7犀奩黛巻、鳳枕雲孤、応也幾番凝佇。
8怎得伊来、花霧繞・小堂深処。
9留住。
10直到老・不教帰去。

1ひそかな夢からちょうど覚めて、厚い雲はまだ散らない、暁の光の中、いっときの雨が降る。
2竹の手すりは空気が冷たく、かおり草の畑は音たてて揺れ、新緑が南浦に暗く通じる。
3路行く人はまだいない、やっと回廊の扉を半ば開く。
4落ち着かない。
5むなしく雲を眺めやる、手紙はあてもない。

6苔むす小径は追憶のかつて遊んだところ、思い出す、誰が一緒だったか、ブランコの縄を結んだ柱。
7犀の角の化粧箱に黛は収められ、鳳の枕に独り寝して、きっとまたしばらく佇んでいるだろう。
8どうすればあの人は来てくれるだろう、花の香りがめぐる、ちいさな建物の奥に。
9留めよう。
10老いるまでずっと、去らせないで。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2蕙畹声搖:蘭蕙のはたけが風雨で音を立てていること。古代は十畝を「畹」といった。 5霓旌:旗のような雲。宋玉「高唐賦」に「霓為旌、翠為蓋(霓を旌と為し、翠を蓋と為す)」とある。 7巻:おさめる、おさまる。 雲:雲鬢。

 

(ひそ)かな夢から(ちょう)()めて、(あつ)(くも)未開(まだちらな)い、暁の(ひかり)のなか(いっとき)の雨が催成()る。

2竹の(てすり)(くうき)(つめ)たく、(かおりぐさ)(はたけ)(おと)たてて搖れ、新緑が南浦に暗く通じる。

(みちゆ)く人は未有(まだいな)い、(やっ)回廊の朱戸(とびら)半ば(ひら)

無緒(おちつかな)い。

5空しく霓旌(くも)望極(ながめや)る、錦書(てがみ)難拠(あてもな)い。

 

6苔むす(みち)は追憶の(かつ)て遊んだところ、(おもいだ)す、誰が(いっしょ)か、秋千(ブランコ)彩縄(なわ)芳柱(はしら)

7犀の(はこ)に黛は(おさ)められ、鳳の枕に雲孤(ひとりね)して、(きっ)()幾番(しばら)凝佇(たたず)んでいる。

怎得(どうす)れば(あのひと)は来てくれるだろう、花の(かおり)(めぐ)る、小さな(たてもの)深処(おく)に。

留住(とどめ)よう。

10老いるまで()(ずっ)と、帰去()()()いで。


yàn shān tíng

1 yōu mèng chū huí,zhòng yīn wèi kāi,xiǎo sè cuī chéng shū yǔ.
2 zhú jiàn qì hán,huì wǎn shēng yáo,xīn lǜ àn tōng nán pǔ.
3 wèi yǒu rén xíng,cái bàn qǐ、huí láng zhū hù.
4 wú xù.
5 kōng wàng jí ní jīng,jǐn shū nán jū.

6 tái jìng zhuī yì céng yóu,niàn shéi bàn,qiū qiān cǎi shéng fāng zhù.
7 xī lián dài juǎn,fèng zhěn yún gū,yìng yě jǐ fān níng zhù.
8 zěn děi yī lái,huā wù rào、xiǎo táng shēn chù.
9 liú zhù.
10 zhí dào lǎo、bù jiāo guī qù.

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